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めんどくさいからおもしろい
おしゃべりって、めんどくさい。ときにズタズタに傷つくし、傷つけてしまうこともある。
あのひとことは余計だったな、自分ばっかりしゃべりすぎたな、もっといい返しはなかったかな、ちょっと見栄張っちゃったよな、なんか気まずかったなって、後悔ばっか。なのに、どうしたってやめられない。
まれに上手に伝わったとき、くだらないことで笑いあうとき、胸のつかえがすうっと取れて、世界がすばらしいものに思えてくる。
取引先のひとと電話でしゃべって、ほとんどただの仕事の話で、だけど妙に心地よくってうれしくなって、それだけのことで今日はいい一日だったと思えた。おしゃべりってやっぱりたのしい。
もうだれとも、ひとことだってしゃべりたくないってぐったりすることもあるけれど、しばらくしゃべらないでいると、無性にだれかとしゃべりたくなる。どうでもいい話をしたくなる。
繋がるってめんどくさい。伝えるってめんどくさい。向き合うのってめんどくさい。悔しいとかかなしいとか愛されたいとか、見て見ぬふりしてやり過ごしたい。でもめんどくさいからこそおもしろい。
あるひとのnoteを夢中になって読んでいて、この文章の、なににこんなに惹きつけられるのだろうと考えて、ああこれは、おしゃべりなんだと気がついた。
その文章には温度があって、ざらざらのでこぼこの手触りがしてにおいがあって、親しげな声が聞こえた。恥ずかしがって胸を熱くして泣き笑いして、それを書いたあのひとと、わたしは場所も時間も超えておしゃべりしていた。
こうしてわたしが書いているのもきっと、あなたとおしゃべりしたいから。伝わったときのうれしさを、共感しあえるたのしさを知っているから。気が向いたらまた、一緒におしゃべりをしましょう。
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