青虫うにぽよ
五百から二千字程度の短い単発小説をまとめています。末尾記載の日付は初回公開日、日本語はタイトルの日本語訳です。
Comment il est devenu un chaton égarée. 北の教会にての前日譚。全三話。
Tu fui, ego eris. 彼の墓を訪れる話。タイトルはエピタフです。全三話。
Mon petit chaton. 青年の罪とそれを赦す悪魔の話。全十六話+後日談。
A l'èglise du nord. 悪魔と子猫の出会いの話。全四話。
ただ暑かった。体中から汗が吹き出し、それに加えて触れる先なにもかもが湿っていた。汚れを…
「アイツのことどうしたいんですか」 「あいつ? アレクサンドルのことかな」 「他に誰が」 …
概要 話数が100近くなってきたため、下記に作者が推奨する閲覧順をまとめました。 今後も時…
何度目かの訪問にいまだ慣れない心地で司祭館の玄関ドアを叩いたアレクサンドルは、腕時計を…
夏の日差しの強さを和らげる風に加え、庭でさえずる小鳥の鳴き声が耳に心地良く、薄暗く涼し…
止まりかけた呼吸に喘ぐように体を捻り、ずるりと落ちた布団に巻き込まれて床に着地した衝撃…
灯りを消していくらかの時間が経ち、司祭はとっくに暗闇に慣れた目をしばたかせた。天井は変…
決して広くはないベッドで、隣で眠る人が寝返りを打つ振動に夢の輪郭が一気にぼやけた。先程…
「なるほど、これが正解か」 つい先程まで饒舌に話していたのが落ち着き、グラスを握って鼻…
腰に響く揺れに覚めた目が、タクシーの中と思われる窮屈そうな自分の足元を映した。通り過ぎ…
「どこが好きなのよ」 「なにが」 どうやらこの後か明日に約束があるらしい「憧れの紳士」に…
「シャルマン」 確かに目は合っているのに呼んでも返事も動きもないことに、会話途中で気付…
目を開けても、そこにはぼんやりと霞む天井と、自分の髪や鼻や口から立ち上る気泡しか見えな…
ノックの音にすぐに開いた玄関扉の中から、いつもどおりのゆるやかで色っぽい笑顔が現れる。…
「質問しても?」 キッチンでりんごを剥くシャルマンの横で作業を観察していたアレクサンド…
アレクサンドルは久しぶりにこんな時間まで眠ったと、丸め込んで抱えた布団を退かし慣れた様…