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②私のかわいい子猫ちゃん

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Mon petit chaton. 青年の罪とそれを赦す悪魔の話。全十六話+後日談。
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私のかわいい子猫ちゃん Épilogue

「先日は大変ご迷惑をおかけしました……」  クリーニング済みのシャツとアームベルトを入れ…

私のかわいい子猫ちゃん 16

 電話を入れたボスの第一声は「聞いている。無事ならよかった」で、簡単な業務連絡と明日も休…

私のかわいい子猫ちゃん 15

 官舎の入口を潜ったアレクサンドルが中庭に面する管理兼守衛室に軽く挨拶の視線を飛ばすと、…

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私のかわいい子猫ちゃん 14

「君、そろそろ起きて帰らないと」  知らぬ間に眠っていた体を揺すり起こされ、アレクサンド…

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私のかわいい子猫ちゃん 13

 一応、業務上の正当防衛っていう扱いなんだけどさ。うん。向こうはナイフ持ってて、女の人か…

私のかわいい子猫ちゃん 12

 一瞬の感情の高まりののち、詰まった喉から思い出したように呼気が漏れるのを合図に、ぼやけ…

私のかわいい子猫ちゃん 11

 軽いブランチを済ませると片付けるからといつもリビングのソファに誘導され、少し待っていて、とまた新たな紅茶が準備された。「ストレートもいいが、今日はミルクがおすすめだ」とほんのり温かいミルクポットがカップのすぐ横に並ぶ。シャルマンは続けて砂糖、いくつかのジャム、はちみつと思しき瓶と、甘味料はお好きにとでも言うように目の前に揃えてダイニングに消えた。  言われるがままにミルクと少量の砂糖を入れ濃すぎない味と香りを楽しんでいると、すぐに戻ってきたシャルマンがいつもの一人がけではな

私のかわいい子猫ちゃん 10

「裄丈が違うが、アームベルトでなんとかなるだろう。ジャケットの中でもたつくかもしれないが…

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私のかわいい子猫ちゃん 9

 アレクサンドルが目を覚ましたときには既に隣にシャルマンの姿はなく、嫌にすっきりとした思…

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私のかわいい子猫ちゃん 8

 まどろみながら薄い布越しの、自分ではない熱源に擦り寄る。包まれる優しく甘い香りと確かな…

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私のかわいい子猫ちゃん 7

「髪、きちんと拭きなさい」  アレクサンドルが用意された少し大きい部屋着に袖を通し、頭か…

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私のかわいい子猫ちゃん 6

 なにがきっかけかもわからず堰を切ったようにこぼれる涙と声を殺し、アレクサンドルは静かに…

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私のかわいい子猫ちゃん 5

「不合格だ」  着替えを持ってバスルームに入ってきたシャルマンは、シャワーカーテンの隙間…

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私のかわいい子猫ちゃん 4

 しんと静まり返った聖堂には耳を凝らさねば聞こえないほどの呼吸の音だけが残る。穏やかな表情の美しい男は、手の中の青年の顔をゆっくりと、幾度となく撫でる。待つともなしに次の言葉を待つアレクサンドルは目を逸らさずにそれを受け入れていた。  やっと開いた口からは、たった一言、短い台詞がこぼれるだけだった。 「そう」  いつもどおりの軽く、かと言って気安すぎない相槌を受け入れたアレクサンドルは、憑き物が落ちる心地で深く息を吐き出す。触れる手の感触は変わらないぬくもりを伝え、緩やかに時