見出し画像

【随筆】もうヤンキーは怖くない。たぶん、筋肉のおかげだ。

前の記事で、ランニング中にいいネタを手に入れた。ということを書いた。今日はそのことを書いてみようと思う。

小説が佳境だった。予定より遅れていた。しかし、とは言っても気分転換のためにも走ることにした。

その時のことだ。

夕方だった。走り始めた時はまだ明るかったが、30分も走っているうちにだいぶ暗くなった。

前方には、横に広がって歩きが4人とチャリ乗りが1人。きっと学生だろうと思った。しかしまず邪魔だった。後方から迫る俺の足音に気がついたのだろう、端っこに、なんとか人間1人通り抜けることができるだろうくらいのスペースができた。俺はそこを、少しペースを落としてやんわりと走り抜けた。

これが始まりだった。少ししてから、ふざけて追っかけてきた。気がつくと後ろにべったりと張り付いている。気持ち悪かった、それにくっちゃべっていて、五月蠅かった。

だけど、俺はシカトした。まるで聞こえないようにしていた。餓鬼過ぎる。ほんとうに、心の底から、しょーもないもんだな。とかは考えたが、それにしてもしつこかった。ストーカーやん。キモいやん。阿呆だ。

赤信号で止まった。振り向かなくても分かる、気持ち悪い距離の取り方をされた。こいつら、マジかよ。えっ、これ、いつまで続くんだろうか。なんの罰ゲームなんや。

うーん、

俺も、こんなんだったか。いや違うよな。相手を不快にさせるようなことはしなかったはずだ。そもそも他人様の迷惑になるようなことはしなかったはずだ。それなりにいい子だった。チャリンコで手離しでカーブしようとか、手をクロスさせて転んだとか、あとなんだ、立ち乗りだとか、なんだろうな、馬飛びとかしたなー

って、そう。仲間内で楽しく、わいわいしていたけど、第三者に絡むことはしないよ。当然、誰かにぶつかるようなところで危ないこともしない。よく広い駐車場とかで遊んでいることはあった。健全!

まあ、
はたから見れば、近づきがたい感じだったかもしれないが、決してこちらから絡むようなことはしなかった。

青信号になって、走り出した。

まだ付いてくる。ああ気持ち悪い、目障りだ。こんな雑魚キャラ、中村文則だったら殺していただろうな。視界に入った集団、やつらの数や動き方に、あと声もそうだろう、とにかく俺は、そいつらを正義感とか、いわゆるそういう類の理由で殺してしまわなければいけないのだろうと、悟った。面倒ではあったが、仕方がないと思った。俺が考えていたのは、むしろナイフが汚れるだとか、返り血が嫌だな、とか、なら絞殺か、でも、それなら時間がかかる。大層な殺意などない。蚊を殺すことと本質は同じ。一瞬だけ、あの、叩き潰した後の血が、嫌な感じに近い。それだけだった……

俺の頭をよぎったのは、そういう想像で、それなりに楽しくはあったが、それができないことをまた考えて、やはり不快の気分になった。

別に、ちぎるつもりでそうしたわけじゃないが、初めから最後のストレートは全速で走ると決めていた。

付いてきた。が、俺が早かった。いつの間にか撒いたことが分かった。まだ振り向かない。

ゴール。あらかじめ決めていたあたりで、一気に減速した。息があがる。途中、邪魔されたが、やはり走りきった後の達成感に近い何かがあった。

俺は、ちょうどいいところにあったベンチに座り、休憩した。

座ると、今、走って来た道の方が見えるベンチだった。携帯を触っていた。前から声がする。

ああ、さっきの餓鬼たちか。とろとろと歩いてこっちにやって来る。行動はばかな小学生でも、小学生でもなく、中学生でもなく、やはり高校生だろうと思った。歩きが4人とチャリ乗りが1人。見ると、どいつもこいつも弱そうだった。それに、しょーもなく見えたよ。

俺は、GACKTばりに足を広げて、携帯をちらちら見ていたが、段々面白くなってしまい、気がつくとそいつらの方をじっと見ていた。別にガン飛ばしていたわけでもない、どちらかと言うと哀れなものでも見るような目だったと思う(つもりがないだけで、あれはガン飛ばしていると、今なら思う笑)。

なんか、俺に向かって言っているのだろうな。それは分かった。俺は、目を逸らすことなく、真ん中のやつを見つめていた。

俺の視線にも気がついたのだろう。
「ヤバ! 頭おかしいんじゃね」そう聞こえた。ごちゃごちゃと五月蠅かった。俺は、目を逸らさない。理由がなかった。全てがくだらなかった。

むくと、俺は立ち上がった。休憩おわり、折り返すか。奴らの方に歩く。
「ヤバ! えっ、こっち来る。ぜってえ頭おかしいぜ」雑音だった。しかしたしかに聞こえた。

別にキレたわけじゃない。
1メートルもなかった。俺は低い声で「どっちがだよ」と言った。それと、どうしようもなく邪魔だったから「横になって歩くな。邪魔」と言った。

そしたらモーゼの海割れよろしく、道が開いた。

俺はまた走り出した。少しすると、後ろがまた五月蠅かった。俺は立ち止まって、ゆっくりと後ろを振り返った。するとどうだろう、学生らは消えていた。三々五々した残像が見えた気がした。だが、いつまでもキャーキャー叫ぶバカな声だけは聞こえた。

俺は、めったにしない溜息をついた。そして「ほんと、しょーもな」と声に出していた。

とか、こんなことが起きて、せっかくなので記事にしようとは思った。で、タイトルだけど、なんというか、ひとえに筋肉のおかげだとは思った。自信なのかもしれない。もちろん、殴り合いの喧嘩などするわけがないが、筋肉がついたことで、何かしらの心境の変化はあったのだろうと思った。

と、これは少し直接的な話だが、このことで親友の話を思い出した。

昨今でこそ、あおり運転などという阿呆なしょーもない愚行があるが、まだ学生の頃、そこまで流行っていなかったが、昔から、そういうせっかちな奴はいた。せっかち? こんな可愛い言葉で言っても仕方ないね、こういう頭の悪い、でいい。

俺は助手席にいた。後ろの車がバカみたいに近づいてくるのが分かった。危ない。クソ、スピード出すのか。と、俺は思ったが、親友は違った。
「仕方ねえなあ、法定速度-10キロくらいで走ってやるか」とか言うww

大抵60キロとかの道を70キロで走ったりしているものを、50キロで走るんだ。すごいだろう、このメンタルww

当然、後ろの頭の悪い奴は、さらにぐいぐいと近づいてくる。急ブレーキでも踏んだらオカマ掘るじゃねえか、なあ、そういう想像力が欠如している阿呆だろ。俺は、ちょっと焦っていたけど、親友は平気な顔をしていた。そのうち、2車線でその車が俺たちをバカみたいスピードで抜き去っていった。

ちょっと挑発的だったけど、無視に近い。絡んだだけ損。それもそうだなと思った。何も、正しく運転している側が、危ないことをすることはない。まったく馬鹿げている。

が、結局それから何年後かに阿呆で頭の悪い奴らのせいで悲しい事故が起きた。彼らは加害者となり、可哀そうな被害者は死んだ。ドライブレコーダーのおかげで、信じられないような馬鹿が世間に晒された。とてもいいことだと思う。

にしても世も末だな。と、本気で思った。
でもね、今回の僕の話も根っこは同じよ。

あーしょもなー
この記事書いて、思い出して、ムカついてきたわー
という話。名言があった。「筋肉は裏切らない」そう、筋肉のおかげです! これ、帰結しているかな?ww 
でも、仕事でもそうだよね。ちゃんとやった、俺の方が分かっている、という自信があれば、怖いものなどない! とか言ってみる。
こんなこと書いたけどね、もしね、変な奴に絡まれたら、僕や、僕の親友のように、少し挑発的なことはしちゃダメよ! 無視だよ、無視! ほんと、こんな頭の悪いやつが居なくなることを切に願うよ。これで〆る。

最後まで 読んでくれてありがとうございます。
「スキ」や「フォロー」もしてくれると、
なお嬉しいです。もちろん「コメント」も!
よろしくお願いします♬
また次の記事も読んでくれたら嬉しい(過去記事も)。それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?