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ハイウェイ

うつくしい骨格に燃えうつる音読。なめらかに炎は流れて、ハイウェイ、あなたはそこにはいない。はばたきで肉はかき消えて、水晶質のからだが現れる。冷たい炎に潮が満ちるから、誰の体温もいらなかった。

夕暮れに天国はない。うたごえであなたが渚だったことを思い出す。暗幕に装置が映像を流しはじめるけれど、からだのないあなたも、わたしも、水子みたいに揺れている。どこにも行けないね? わたしたちはここにいる。遺構なのはわたしたちではなくて世界のほうだから、わたしたちをくべれば世界が燃え落ちてしまう。

回転扉をあけるように銀の季節はめぐる。夏を引き連れて馬たちが扉をぬけてゆき、わたしとあなたを分かつ。蘂をもついきものじゃないんだと言えるから、はなれるほどに光暈して、ぬいとめなくてもたがいがわかる。氷河期の音階で交わらずに燃え落ちる、ハイウェイ。わたしたちは煙、あまねくただよっているから幽霊の声に耳を澄ませていて。

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