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発光葬

瞼を漏電して夜がせりあがる。蒼ざめた肉をぬけだして脈うつわたしたちの発光。ひび割れた性愛の墓場から、高架線は幾千の窓を通った。

現実を殺すために降りてゆく睡りの奥で鏡像を砕いて、そのつど透明な塩を血のかわりに流す。装丁されたほほえみを浮かべながら、殺意は耐えがたく清潔に光った。まなざしから燃えうつる銀色の火事を領土として、光年の氷河を書き換える。彼我の境界の焦土でわたしたちはようやく繭の輪郭を陶冶しなおせるのだから、すべてを視て。まなざしは多重露光で完全な霊体を遺す。さざなみであり、化野であり、秋の螢であったわたしたちの。

明け方を通電するたましい。消えてしまえなかったからだは遠浅の熱病にうなされながら、呼気の煮凝る駅へ運ばれて、葬列の永遠に参列する。ひかりの遺児たちは戻らない。

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