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輸送契約ありますか?

今回は輸送契約について整理していきたいと思います。

皆さん、輸送の契約ありますか?
おそらく余程大きなプロジェクトでないと契約は結んでいないのではないでしょうか?
もしくは船荷証券(Bill of Lading=BL)航空貨物運送状(Air Waybill=AWB)が輸送約款だから別に契約を交わす必要がないと考えている人もいるかもしれません。実際のキャリア(船社や航空会社)の立場であればその通りですが、その前後のトラックは?輸出の船便であればバンニング倉庫の契約はありますか?

責任が不明確


物流部門としては出発地から到着地までの輸送は全て責任があります。この委託内容が不明確なのは問題があります。事故や想定外のトラブルが発生した際に誰がどのように責任を負うのか分からないからです。

輸送業者の立場だと、受注して早く仕事をしたいのに契約に時間を取られるのは面倒と感じたり、お客様に契約書の調整をお願いするのは嫌な顔されそうで心配かもしれません。そもそも契約の教育を受けていない会社も多いかもしれないです。

PDCAサイクル


航空機業界特有の品質管理もあり、私は契約の重要性を認識するようになりました。事故発生時に原因と対策、経過観察、不十分であれば追加対策(つまりPDCAサイクル)が必要で全て記録を取る事が品質管理上、義務付けられているのです。これは航空機の飛行安全を守るためです。

この時に何を委託していたか書面で提出できないと明確な対策が出来ません。
(書面が無かった事が原因として結局、文書化していく事になります)

明確な対策が出来ていない場合、事故が再発する可能性が高くなります。同じ事故に悩まされているとしたらPDCAサイクルが回っていないと考えるべきだと思います。

契約の管理体系


それでは全て輸送契約を結べばいいかと言えばそうではありません。多数の案件を抱えていると契約締結だけで業務が終わってしまいます。

私の場合だと年間数万件の輸送を抱えています。会社毎や案件毎に契約を束ねる必要があります。同一の会社の複数案件はまとめられますが、複数社の契約をまとめる事は出来ませんので、物流パートナーが多い場合にはパートナーを集約していく事も、並行して実施してもいいと思います。

また各社の輸送約款をそのまま使うのもありです。クーリエや宅配便、混載便であればDoor to Doorでどの顧客に対してもフラットサービスが基本ですので工数を割いて個別契約する必要もないです。

スポット案件については要求仕様書を作成して見積もりを取得するだけでもいいでしょう。契約でなくとも何を要求しているか明確にすれば、強制力はないもののトラブル回避には十分だと思います。

業務負担を考慮して契約管理することをお勧めします。

一例ですが以下のような管理も参考にして下さい。

輸送分類毎の契約方法の例

契約期間


大抵の契約書には期間が設定されます。業務委託する期間が決められているとお互いにメリットがあります。荷主側であれば定期でパートナーの入れ替えが行えます。運送業者側としてはその期間の仕事は担保され設備や人員配置ができます。

逆に契約が無いと期間が不明確になり、業者変更したいと思ってもパートナーに中々受け入れてもらえなかったりします。長年委託していると暗黙の了解で設備投資がされていて、「業者変更をされると投資回収が出来なくて困る!」と泣きついてくる会社も多いでしょう。

こういうトラブルを避けるためにも期間を設定して委託していく事が重要だと思います。

契約の重要性


私は仕事で契約が非常に重要なモノだと信じています。

契約は企業間の約束であり、コレをベースにお互いの責任を果たし、利益を分配し、相互に事業を継続するための基本的な物だからです。

これを機会に輸送契約を検討・見直してみてはいかがでしょうか?


以上、今回はここまで。
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