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物流の価値向上

今回は物流DAOで特に追求している件です。
”物流の価値向上”と聞くと何のこと?となると思います。これは私が物流業務に長く関わり行き着いた結論の一つです。

これを詳しく解説して物流に関わる皆さんにこの言葉に込める想いを伝えたいと思います。

物流の価値は?


以前の記事でも価値について記載しましたが物流の価値は何でしょうか?

必要不可欠だけどコストは払いたくない。多くの人にとって、そんな位置付けではないでしょうか?物流関係者の方でもインターネット・ショッピングでは無料配送を選んでいないでしょうか?

社会的に物流には価値を見出せていないのでしょう。こうなると運ぶのは当たり前で、安さしか求められなっているのが現状です。安売り競争の結果、サービスと称して様々な作業が盛り込まれてしまい、過酷な労働環境で人材が流出するという悪循環でもあります。

需給バランス


最近、国内では2024年問題で値上げの風潮があります。でもこれが長く続くでしょうか?

2024年問題は法律が作り出した供給不足です。一時的には値上げになるでしょう。ただバランスが崩れたままにはならないでしょう。値上げで利益が上がるようになれば新たに参入者が増えます。自社配送や積載効率の向上、減便を考える荷主もいるはずです。労働力不足もありますので確かな事は言えませんが、混乱して価格が高騰すれば必ずそうなります。

直近では海運の混乱があり、運賃が数倍にも高騰しました。多くの船社では利益が大幅に上りましたが、最近では急落して天国から地獄です。コロナを発端として過度な供給不足が発生しましたが、経済の冷え込みで状況は一気に逆転して供給過剰に陥ったためです。

これは海運の価値が上がったのでも、下がったのでもありません。
単に需給バランスが崩れただけです。

国内物流はこれと何が違うでしょうか?値上げの後はどうなるでしょうか?
提供するものが変わらなければ、価値は何も変わっていないのです。

今こそ価値を向上を


ではどうすればいいのか?
物流の価値を上げるには、利用してくれるお客様に付加価値を与えないといけないです。付加価値なんて無いと思っていないでしょうか?

インターネット検索に価値があるのは、現在では誰もが知るところです。昔、Googleが検索に参入した時にその価値に気づいた人はどれくらいいるでしょうか?私はなぜ無料でこんな便利なサービスをいくつも提供できるのか不思議でした。当時の私の目には、ただデータがある所から、行ったり、来たりしているだけにしか見えませんでした。

では物流データはどうでしょう?私には物流データは価値があるとしか思えません。重要なデータはトラックの台数でもコンテナの本数でもないです。トラックの荷台、コンテナの中に何がどれだけ積まれているのか?いつ、どこに届けられたのか?今どこにあるのか?そこに価値があると思います。これが未来の予測にも繋がるからです。

そして今、このデータを持っている物流業者がどれくらいいるでしょうか?データを持っていても活用している会社どれくらいいるでしょうか?もしデータ取得さえもしていない物流業者は何が何でもこのデータを取りに行かないといけません。

だからと言って荷物を全てスキャンも出来ません。データだけ貰っても、本当にそれが運んだものか検証は出来ません。荷主と物流業者が一緒になって価値を高める取り組みをしていかないといけないのです。

物流費の価格が高くても、無駄な生産、無駄な在庫が不要になり、調達から製造と販売までのリードタイムが大幅に短縮出来るとなれば、キャッシュフローが改善し、その分の荷主の事業全体で利益も上がり、決算の数字も良くなれば荷主の評価・価値も上がります。

実績収集から分析・予測へ、物流が果たせる役割は大きいです。モノの流れが良い地域、悪い地域などの特定をしてマーケティングにも活用出来るでしょう。そしてそこにはお金を払うべき理由がそこには生まれます。物流費を安くしようというマインドしか無かった所から価値向上へのシフトができるハズです。

物流を楽しむ


また視点を変えると物流を楽しめる環境も必要だと思います。
物流にお金をかけてもいい!と思われなくてはいけません。

スマホには皆さんお金をかけますよね?多額の費用を払ってもそれを上回る便利さが手に入るからです。それに何より次々に投入、アップデートされる新しい機能にドキドキしますよね。とても楽しいアイテムです。

物流もドキドキするものにすれば、価値も高まります。

昔、Dellのコンピューターを買った時にドキドキしたのを覚えています。行った事もない台湾の工場の生産から、出荷され、台湾の空港に着き、成田に着き、通関が終わり、近くの配送センターに着き、自宅まで配送されるのが自宅のPCの画面上でリアル・タイムで見る事が出来た初めての経験でした。海外を一緒に旅している気分になりました。(これ私だけ?)

今では貨物のトラッキングは当たり前になってきていますが、全てではないです。特にB2Bが遅れていて徐々に増えてきていますが、それぞれのインターフェースが用意されているだけでユーザーに便利とは言えないです。どのような物流でも、一つでまとめて視える化して、楽しめる環境、そして物流戦略を練る事が出来る環境が整えば必然的に価値が高まるものと考えています。

まとめ


少々、物流関係者には耳が痛かったかもしれません。

ただ従来のやり方のままの体質の会社がやはり多いです。最近驚いたのは、未だメールも持っていない物流会社がいる点です。伝言を中心に仕事をするスタイルで回ってしまうのでしょうが、とても効率がいいとは思えません。そこまではいかなくともFAXを多用している物流現場は多いでしょう。

私はここに危機感を覚えます。伝言とFAXではデータ化、視える化には一切、繋がりません。デジタルにシフトしない仕事のやり方は、自らの価値を捨ててしまっているように思います。

これは検索エンジンの会社で例えると検索だけ行って、何のデータも蓄積していないのと同じです。次のビジネスに何の展開もできません。自分達の価値をいかに向上するか、これが現状脱却のカギでは無いでしょうか?

これを読んで何かを感じてくれた方には、物流の価値向上を目指すきっかけになればと思います。

以上、今回はここまで。
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