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物流に付加価値は無いのか?

最初のテーマとして「物流に付加価値は無いのか?」という物流の永遠の課題を取り上げました。

吊上げられる物流部門


メーカーで物流を担当していると一度は「物流に付加価値は無いからコストダウンせよ」と言われた事があるのではないでしょうか?
担当者としては日々苦戦している仕事を否定されている様で複雑な気持ちになってしまいます。でも言い返す言葉が中々見つかりません。

特に製造業の場合、あるモノを加工し付加価値を付けて商売する事が基本なので、物流はモノを移動させているだけで付加価値がないと言われればその通りです。ただ物流が無ければお客様に製品を届ける事が出来ない、もしくはパートナーから原材料を入手出来ないので必要不可欠なのも間違いないです。納期を死守するため懸命に対応しているからこそモヤモヤしますよね。

社内から見えない物流


でも付加価値がないと言う意味では管理系の部署、例えば経理や人事などのコーポレート部門は全て付加価値は与えていないです(コーポレートの方、仕事に価値が無いと言ってる訳ではないです。ごめんなさい)。おそらくコーポレートは業務内容が明確で社内であまり批判はされていないでしょう。物流だけが吊し上げられていると考えられます。なぜでしょうか?

物流のコストは製品やボリューム、区域によっても大きく違うと思いますが、多くのトラックや船舶、航空機により輸送するためそれなりの金額になってコスト管理を行う部署からは無駄なコストとして特に目に付くでしょう。その一方で社内でよく目にするコーポレート部門と異なり、物流は工場外が主戦場で仕事がよく見えない事が一般的です。仕事が見えない事が叩かれる原因の一つだと思います。

計画は存在するか?


一方で輸送計画は作っているでしょうか?1年の輸送量を予想して、それに必要な費用を試算して積み上げていますか?私はしていませんでした。なので計画はどうなっているのかと、よく怒られていました。正直、各部署から依頼されたら手配するのみです。

しかし販売計画や製造計画があり、変動要素があり、これらを基に物量を予想して必要な全体の輸送を計画する。計画があればズレに対して手を打って、輸送費をコントロールしていけますし、リスクの炙り出しも出来るでしょう。

この輸送計画を明確にする事が物流の見える化の第一歩です。

そんな事言われても色々トラブルや変更があって計画が難しいんですよーって声聞こえてきそうです。ではトラブルは全体の何%です?変更はどの製品、どの顧客でどれ位の頻度で発生してますか?即答できない人が多いのでは無いでしょうか?

変動要素を分析すれば計画に折り込める筈です。まずは分析しましょう。予想が外れたら見直せばいいんです。繰り返すうちに精度も上がるでしょう。

計画がない事が一番の問題なのです。

物流の見える化


計画があれば計画に対してのギャップが明確になります。その次に必要なのは地図です。物流の見える化の理想はリアルタイムのマッピングです。地図に落とし込む事で物流戦略を練る事ができます。自然災害や地政学的なリスクに対しても早期に手を打てます。
戦いには地図が必須です。この地図に情報を更新して、どこに、どうやってモノを供給するか、正にロジスティック、サプライチェーンマネージメントです。

計画通り、供給出来ている事が可視化されている。逆に計画通りに出来ていない所を把握して対策をしている。コレが見える化です。

意思決定に必要な物流部門へ


常にこのマッピングを用意し常時社内に提供しておく事で事業の方針を決める際には物流部門は必須となり、業務の価値が認識されると思います。

計画とマッピングで事業の意思決定に必要な物流部門になれます。

この時に「付加価値が無い」とは言われなくなるのではないかと私は信じています。


このテーマは永遠の課題だと思いますので現時点での私の意見です。今後も随時新しい視点をアップデートしていきたいと思います。

今回はここまで。
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