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『愛と夢』収録曲感想〜後編〜

前編に続いて後編です。

「真夏の星空は少しブルー」
この声にやられました。世界観が歌声によって表現されていると思います。これも初聴きはベスト盤で、後日「そぼふる雨の中に一匹たたずむ子犬がこちらをじっと窺っているような歌声」という感想を書いてます。歌詞の内容と関係なく、とつとつと歌う声が置いてけぼりにされてしまったという印象を受けたんですよね。ずっと同じ場所にいて動けないでいる。今回改めて聴いてみると、この歌詞は現在形で書かれているけれど、現実とは別の、幻想的な世界という印象を受けます。外の現実世界で流れている時間とは別の自分の中にだけ流れているリアルな時間と空間、というような。口笛からの曲の入りも、別世界への切り替わりの装置であるかのようです。みぞおちがギューッと苦しくなる。この曲はめずらしく、すごく嫉妬しました。“彼女に“ ではなく “ふたりの完璧な世界に“ 嫉妬する。美しいふたりだけの世界です。

「寝るだけさ」
ギター!カッコいいですね〜 この特徴のあるギター音なのか曲調なのか、そんなに無機質な感じがしないです。これもアコースティックギターのデモ音源聴きたいですね。アルバムの中ではちょっと軽みのある曲です。こういうミドルテンポ好きだなあ。でもやっぱりどうしても人恋しさがチラッと現れる。きゅんとします。強がってるところにちょっと弱みを見せられると女のひとは参っちゃうんですよね。

「ココロのままに」
始まってすぐギターリフ好き!ってなりました。カッコいい〜 こういう感じの楽曲大好きです。歌詞も好き。ポップですね〜 曲入りや途中の囁くようなオーイエ〜イってところもいいですね。しゃがれ声での歌唱もグッときます。リズムもいいしイントロや間奏のバンド音もすごく聴き入っちゃいます。3:06 と短くてすぐ終わっちゃうけどもっと聴きたーいってなります。いやあ、これもアコースティックギターの弾き語り聴きたい!絶対カッコいいと思います。

「Tonight」
続けてこの曲も好き。いやんカッコいいじゃん。ギター音を追いかけて聴いちゃいます。間奏も後奏もいいなあ。歌とドラムがすごく調和してる気がします。でも曲調とは正反対でまあ切ない歌です。途中まで夢の歌かと思いきや、突然の愛の歌に胸がチクリとします。ちょっと切なくなる歌なんだけど、とにかくギターかっこいいんだよ〜 総じてギターが好きな感じだと好きになっちゃいますね。遠吠えがギターみたいで、ギターが歌ってるみたいです。

「始まりは今」
メロディがきれい。今回歌詞をじっくり見たんですけど、これだけ見るとどちらにも振れる歌だなあと思います。明るい未来とも取れるし、切ない想いとも取れる。アルバムの音源は少しさみしい感じが漂っているように聴こえます。少なくとも底抜けに明るい感じではないなあと感じました。シングルバージョンと違うみたいなので聴き比べたいですね。

「おまえとふたりきり」
これは暗い曲調に切ない歌詞。切ないを通り越して、月明かりを浴びて少し狂気が漂う感じ。暗闇の中ふたりで手を取り合ってゆく道行のような。でもそれは独りの道行なんですよね。世界の終わり。途中の電子音が好みが分かれるところかなと思います。

すごくいい曲が多いけれど、あまり熱く語るひとがいない印象なので取り上げてみました。もう少し深掘りしたい曲や曲順についても考えたいところだけれど、これで終わります。気が向いたらまた別で書きたいと思います。

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