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『愛と夢』収録曲感想〜前編〜

今回は『愛と夢』収録曲の個別感想を。

「good bye mama」
イントロのギターの重なり好きですね〜 機械音とドラムの無機質さに対して、ギターやベースが有機的な感じ。それらが合わさるとなんとも言えない不思議な深みのある音に聴こえます。アウトロも聴かせるなあ。口笛も効果的です。これ全部宮本さんが考えてるのかと思うと純粋にすごいなあと思います。その音の上にのる歌声が甘い声なんだけれど、ちょっとしゃがれた部分があるのもいいです。

「愛の夢をくれ」
このギターのリフもいいですね。歌謡曲みのある歌。まっすぐな声ときれいな声としゃがれた声があって多彩な感じ。ときどき出てくるアンニュイな声も好きです。アウトロのフレーズがしつこいくらい繰り返されるけど何回続くんだろう?と思った頃合いにブチッと切れる。この繰り返しと放り出される感じに、なんだかじわっと余韻が残る。これを狙ってたのかなあ。

「君がここにいる」
これこそまさにアコースティックギターの弾き語りで聴きたい。でも、このエレキギターの切なく泣いてる感じも好きです。曲調は明るいけれど歌詞がいちいち胸に刺さる。明るい曲調+切ない歌詞でいうと「リッスントゥザミュージック」の萌芽を感じます。しかし、これだけ想いを寄せることのできる人と出会ったという奇跡がすごいです。”君がいる”と何度も繰り返されるセリフは、最後につぶやくように歌うひとことに全てが集約されていて膝から崩れ落ちました。この一言のために5分半歌われてきたんじゃないかと思うくらいグッときます。

「夢のかけら」
この曲の初聴きはベスト盤で「最初のインパクトあるフレーズと “君は猫で俺は嘘つき“ というくすぐる歌詞に気を取られるけれど “乾いた喉冷たい水をぐっと飲んで“ のリアリティがバッと目の前に迫ってドキリとします」と感想のツイートしてました。しゃがれた声がよく似合う歌だなあと思います。これも例に漏れずギターソロがかっこいいですね。宮本さんのソロではよく歌われるストレートな “愛してる“ という歌詞が、エレファントカシマシで聴くとなんだかすごい衝撃を受けました。

「ヒトコイシクテ、アイヲモトメテ」
弾き語りのワンフレーズを聴いたのがきっかけでこのアルバムの購入を決めた大好きな曲。本人も言っておられるけれど、このギターリフいいですね。耳に残ります。歌謡曲を作ろうと思って作ったんだろうなあという曲が多いけどそのうちのひとつ。とにかく声がいい。基本は優しくて甘い歌声だけど、伸ばしたり叫んだりするところでのしゃがれ声がより切なさを際立たせているように感じました。声が、渇望している、という印象を与えてるように思います。

後編へ続く

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