見出し画像

私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【3月】

🔷映画「フェイブルマンズ」

3月には映画を二本見ました。今年は見る回数が少なくなりましたが、去年までは、月に三、四回は映画を見ていました。感染拡大期には医療用のマスクをして行っていました。ガラガラに空いている会場では、いつも入口通路上の一番換気が良い席に座っていました。他のエンタメの多くが中止となる中で、映画はその世界に没頭して気持ちを解放できる楽しみでした。持ち込んだフリース生地のブランケットを、シートと背中の間に挟み込んでフカフカにして、ソファーのように座席に埋まってスクリーンを見ていました。
私が気軽に映画を見に行けているのは、自宅から車で30分くらいのところに映画館があるからです。その映画館には無料の障害者用駐車場があり、そして一番ありがたいのは、障害者手帳で映画のチケットが半額になることです。

さて、今回見たのはフェイブルマンズです。この映画は、スピルバーグの体験を織り込んだ、自伝的な物語と言われています。
ストーリーに起伏が少ないために、面白さの評価が大きく分かれるようです。私は人生のドキュメントのように見ました。人生には、きれいにつながるストーリーや文脈は、そんなに多くはありません。劇的な出来事が連続している訳でもありません。日常の連続が、振り返ればその人の生きてきた軌跡なのだと思います。回想のような映画でした。エンドロールには「両親に捧げる」という言葉がありました。

2023年3月7日 映画「フェイブルマンズ」

🔷肉離れと肋骨のヒビ

映画を見た数日後、思わぬところで転びそうになり、咄嗟に足を出したところ、ふくらはぎの筋肉が断裂してしまいました。強度の肉離れです。3月12日のことです。自分の足がマヒしていることを、つい忘れていました。
まあその足でも、通院しながら仕事には行っていました。幸い左足だったため、アクセルとブレーキは操作できました。それで、車で移動をしていました。本当に痛くて、小刻みに右足を前に出して歩いていました。歩くのが難しくなったのは久しぶりのことです。不調は重なるもので、せき込んでいて肋骨にヒビが入ってしまったのもこの頃です。
ついていないな、、そしてこの体のまま人事異動を申し渡されました。ついていない春だなと感じていました。

🔷映画「オットーという男」

2023年3月22日 映画「オットーという男」

トム・ハンクスは存在感が好きです。黙っている時の表情だけで、その役のパーソナリティを表せる人だと思います。この映画も、眉間にしわを寄せた顔が多くを語っています。少しでも話すと内容が見えてしまうため、触れないようにします。
今まで見た中で一番好きなのは「ターミナル」です。

ボロボロでも生きようと思った。

当日の私のTwitter


🔷Cocco ベストツアー2023~其の2 渋谷

2023年3月22日 Cocco ベストツアー2023~其の2
@LINE CUBE SHIBUYA

前回の記事、スマホ写真で見る、私のイベント体験 2023 【2月】|青海 陽 (note.com)にあった、Coccoの25周年ツアー。中野サンプラザに続く2会場目の東京公演です。
実は今回、私は四月の東京ドームシティホールを含めた三公演のチケットが取れてしまっていました。ツアー「其の1」のチケットが四次募集まで連続して外れました。それで、外れる前提で三公演に応募した結果、なぜかすべて当たってしまいました。
三回見られると思うと、気持ちにかなり余裕があります。いつもは結構緊張したり焦ったりと、気持ちの構えが大きいのです。それだけ貴重な機会だと感じているのだと思います。同じシチュエーションは二度とありません。そこに居た人だけが感じることができる時間が、まさに生きた時間「ライブ」なのだと思います。


号泣する準備はできました。
(当日の私のTwitterより)

演奏曲目(セットリスト、略してセトリ)は、前回同様にテレビやラジオでは流れないような曲が多い構成でした。だからこそ、初期の頃からのファンには逆に楽しめる内容でした。これはCoccoが意図したことなのかもしれません。
また、今回の公演では、マイナーコードの曲が前面に出ている特徴がありました。感染拡大下のオンラインライブの際に、Cocco自身が「ダークサイド・クイーン」と呼んでいた側面です。ステージの照明も暗めで、表情が確認できない時間が大部分を占めていました。
一方で、このLINE CUBE SHIBUYAは、東京三公演の中で、照明がCoccoのイメージに一番マッチしていました。繊細で細く鋭い光線が、これまでには考えられないような模様を、ステージ上に描いていました。例えば、ステージ上部の一点からスモークを通して客席に放射状に放たれた緑色のレーザー光。それは海の中に届く太陽の光のようでした。

至福の時間。
(当日の私のTwitterより)
生きてまた来るぜったい。
(当日の私のTwitterより)

Coccoはバレリーナだから全身で歌に挑むのが体の動きで見える。息を詰めて見つめながら涙が止まらなくなる。 客席までも満たすスモークに光芒が広がる。同じ水の中で音に包まれていた。 どれだけ泣いたんだろう。至福の時間。生きてまた来るぜったい。

当日の私のTwitter


四年前にオープンしたこの会場には、おそらく最新の照明設備が投入されているのだと思います。ステージ上部のライトひとつひとつが、小さく輪郭のくっきりしたクリアな光を放射できるのです。かつての電球からレーザーとLEDになったことで、光の性質が変わっているのだと想像します。

この会場は、「渋公(渋谷公会堂)」の名前で知られていたホールです。かつては「8時だョ!全員集合」「ザ・トップテン」等の公開生放送に使用されていました。後に「渋谷C.C.レモンホール」と呼ばれていた時期がありましたが、これは公会堂を所有する渋谷区が命名権を売却したことによるものです。ネーミングライツ契約終了後は一度渋谷公会堂に名前が戻り、2015年に閉館。立て替えてた現在の公会堂は2019年にオープンし、同時にLINEが有期限の命名権契約を結び現在に至っています。

2023年3月22日 Cocco ベストツアー2023~其の2
@LINE CUBE SHIBUYA

このホールは外観も内装も洗練されています。光と色にこだわったデザインだと感じていましたが、調べてみると、2019年に照明普及賞を受賞しているとのことでした。

私は以前から舞台照明に興味がありました。探すと、渋谷公会堂のホームページに照明機材一覧がありました。照明機材による舞台演出については、改めて調べて書きたいと思います。

2023年3月22日 ライブの帰り道

ライブの帰り道、いつも町がキラキラして見えます。気持ちが高ぶっているからでしょうか、満たされているからでしょうか。光の刹那を敏感に感じられる夜に、何度も出会いました。

2023年3月22日 ライブの帰り道


🔷桜

異動さくらが長かった

人事異動で、十年近く勤めた職場を去ることになりました。引継ぎ資料を作ったり荷物整理をしたりで、帰るのは連日深夜になりました。
職場の前には桜の老木があります。帰る時、幹に手を当ててて目をつむり、木の声に耳をすましました。互いを労っているような気持ちになりました。

今年は、桜が開花してから気温が上がらない日が続き、花は二週間近く咲き続けていました。


文・写真:©青海 陽2023

🌼 次回の更新は 未定です 🌼
🧸 連載無期限休止中 🧸


読んでいただき、ありがとうございます!☺ かつての私のように途方に暮れている難病や心筋梗塞の人の道しるべになればと、書き始めました。 始めたら、闘病記のほかにも書きたいことがたくさん生まれてきました。 「マガジン」から入ると、テーマ別に読めます(ぜんぶ無料です)🍀