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あるファミレスでの男女の話
あるファミレスでの男女の話
隣の席に男女が座って
食事をしている。
男は経営者のようだ。
社員なのかスタッフなのか
やたらと電話がかかってくる。
電話の相手に対して、
関西弁で熱い言葉や優しい言葉をかけている。
悩みの相談を受けているらしい。
その言葉は記号として
携帯電話を伝わっていく。
注文したものを流し込むように
食べている途中で男が店員を呼んだ。
「はい、お客様お待たせいたしました。」
男は店員のことをまったく見ることなく
「お冷ください」
と一言いった。
言葉が記号として空気を伝わっていく。
空気が記号を伝える分だけ
虚しく振動している。
ふと僕は店員を見た。
その店員は
ロボットだった。
周りの客は誰ひとりとして
気づいていない。
ここに人間はいるのだろうか・・・
そう思った瞬間、背筋がゾッとしたのだった。
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