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一言感想メモ (ドラマ・音楽)

ドラマ編

silent

 登場人物のほとんどが根が優しく、ただ不器用な面も持ち合わせていて、視聴者を振り回しすぎない程度に揺さぶってくる。あえてジャンル分けするならば「恋愛ドラマ」だと思うし、公式サイトをパッと見た感じでもそういう印象を持つ。だけれども、最終回まで観た感想としては「人と人との関わり」とか「優しさ」というものが、もっと確かな軸になっていたと思う。そこがとても良かった。
 それぞれの思いが行き違ったり、時には衝突しても、「あなたに幸せでいてほしい」という思いを手放さず持っているからこそ、他者との関係が壊れず深まっていくところが、丁寧に描かれていると思った。他者を理解するって階段を一段ずつ昇るような試みなのかもしれない。何段も抜かして一気に昇ろうとすれば、何か大切なものが抜け落ちてしまうだろうし、うまく昇れないのなら、一段下に降りて何に躓いたのか確認するのも大事なんだと思う。もし、それほど時間がかからず一気に関係が深まったなら、それはラッキーだし喜ばしいけど、かなりのレアケースだ。

 

日曜の夜ぐらいは…

 作中、どこかで大きく盛り上がるというより、終始うるうると目に涙が溜まっている (ときどき溢れる) ような作品だった。
 「連帯」というのは決められた属性によってするものではなくて、「~したい」とか「~から逃れたい」「~に抗いたい」とかそういう思いで繋がるものなんだな、と思った。女性3人の連帯から始まって、男性や、自分の親たちまで深い信頼関係を築いていく様子は爽快感すらあったけど、それはつまり裏返すと「これが現実でも当たり前だったならなぁ……」ということでもあった。そういう意味では最終回、最後の主人公の心のなかでの言葉は、この現実世界で何かしらの決定権を持った人たちへの切実なメッセージだと思った。
 作品中、主人公たちの日常を壊そうとしてくる人物も出てくるけど、怖く映りすぎないように配慮されていた気がする。あと、岸田サチと母親の岸田邦子とのちょっと毒のある会話、面白かった。


音楽編

フロンティア / RAY

 相変わらず RAY にはまっている。この映像を観たとき、「また RAY にすごい曲が!」と高揚した。もしかしたら、関係者の方がこの文章を読むかもと思うと、勝手な感想を書くことに躊躇するところがあるんだけど……、内山さんによれば僕も一応、関係者らしいので。
 とにかく、「肯定感」みたいなものを感じた。もっと言えば「生命の肯定」のような。ダンサブルな楽曲で思わず体が動くんだけど、何か大いなるものに踊らされているというより、自分自身の内側の、そのまた内側の大切な何かが楽曲やメンバーと共に踊っている感じ。RAY の他の楽曲にも言えることだけど、自分自身にとって適温。熱すぎないし、どちらかといえばクール。適温の中に驚きがある。だからすごい。パフォーマンスも良くて驚きました、ほんとに。