マガジンのカバー画像

ならわし―家族の物語―

12
小説「ならわし」全9話(+‪番外編)を纏めます。
運営しているクリエイター

#小説

小説 | ならわし (①)

たとえば、こういうことがまかり通る世の中であったとして──。 子供を生むことができない…

青豆ノノ
5か月前
106

小説 | ならわし (②)

「受け入れてくれてありがとう。今すごく、心があたたかいよ」 夫から懇願されて、ついに根負…

青豆ノノ
5か月前
97

小説 | ならわし (④)

夫の母が苦手だ。 妊娠が発覚して、初めて会いに行ったときの異様な視線がたまらなく嫌で、未…

青豆ノノ
5か月前
91

小説 | ならわし (⑤)

結局、夫の母からは欲しい回答を得られないまま、帰路についた。 謎は深まるばかりだ。夫の母…

青豆ノノ
4か月前
97

小説 | ならわし (⑥)

目を覚ますと、部屋の中は暗かった。 うっかりソファーで寝落ちしてから随分と時間が経ったよ…

青豆ノノ
4か月前
91

小説 | ならわし (⑦)

夫は夫なりに抱えるものがある、そんなことを感じて、私たちは理解し合えるかもしれないと思い…

青豆ノノ
4か月前
89

小説 | ならわし (⑧)

0:15AM おお。やっとるな。やっとるやっとる。 何度見ても見慣れない、この光景。 酷く滑稽、なんとも不気味。 妊婦にまたがって立つ、下半身を顕にした男の姿というのは、どうしてこうも美しくないのだろう。いくら夫婦とはいえ、目のやり場に困るだろうなあ。 しかし奥さんは偉い。自分は、腰を巨大ハンマーで殴られるような痛みに耐えながら、紐を引く力を、なんとか加減してやってるのだから。 そうとも知らず夫は、こちらに尻を向けて、おろおろしている。 だがしかし。そりゃあ、そうだろう

小説 | ならわし (⑨最終話)

夢を見ていた。 母を求めて泣いている、幼い頃の私がいた。 愛されたくて泣いていたのか、暗い…

青豆ノノ
4か月前
104