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青豆の自己満足

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自作のショートショート・短編小説の中で、気に入っているものを纏めます。 他人の評価は関係なく、自己満足のためにここに集めていきます。
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2023年10月の記事一覧

Re: (短編小説)

ここは、パリのシャンゼリゼ通りか。 違う。かと言って原宿の竹下通りでもない。 ここはかつて…

青豆ノノ
8か月前
100

ある男 (短編小説)

「こんなことを言うと君に嫌われてしまうかもしれないのだけど、僕は君がどういう人間かという…

青豆ノノ
8か月前
86

掌編小説 | 鏡

息子が二十歳になった。 10年前の自分の日記を読み返して、こんな時期があったもんだと振り返…

青豆ノノ
9か月前
115

オムニバス小説 『柿』 #虎吉の交流部屋プチ企画

「返事はいらないよ」と書いた便箋の端に小さく柿の絵を描いた。 返事なんていらない。 手紙…

青豆ノノ
9か月前
72

告白ロボ (短編小説)

「最近はいつもこの時間だね」 僕がよく行くレストランで働く馴染みの配膳ロボットは言った。 …

青豆ノノ
9か月前
104

もしもデザートがティラミスなら (短編小説)

「はぁ?!なんで着払いなの?!」 私の声の大きさに驚いた郵便局員は、持っていた機械を誤操…

青豆ノノ
9か月前
83

AYA (短編小説・前編)

「本当の貴方は今、夢の中なのでしょう?」 私の隣に横たわる裸の女は半身を起こし、長い髪をかきあげる。女は汗ばんだ体にまとわりついていた髪を、肩より後ろへ送りながら私に尋ねた。 「あぁ、多分ね」 私はまだ息が上がっているのに、女は涼しい顔だ。夢の中でも私の体力の無さは変わらない。ここは私の理想が反映される世界ではなく、限りなく現実に近い。 「ここが貴方の夢の中なら、貴方は一体いつ寝ているのよ」 女はくすくすと笑う。 笑う女の乳房が重たそうに揺れるのを見て、妻のすっきりとした体を