見出し画像

温厚な友人を激怒させてしまった

中学時代、友人のカタヤマ君の家でタンジ君と共にプレイステーション版の人生ゲームで遊んでいた時の話。

人生ゲームとは、最初に自分の分身となるアバターを作成し、スゴロク形式でマスを進め生まれてから亡くなるまでの人生をシミュレーションをするゲームだ。

彼らとは過去に何回もプレイしていたので、その日は自分のアバターを他の2人が作るという遊びを入れ、まず3体のアバターが作られた。
普段なら自分のアバターを作る時は下の名前をつけるのだが、ヤナギ、カタヤマ、タンジという名字が付けられた状態でプレイをスタート。
そこそこ盛り上がりつつゲームは進み、滞りなく全員がゴールした。

このゲームをプレイしたことある人ならばわかると思うのだが、最終順位の結果発表が行われる前にそれぞれの人生のハイライトが映し出される。
そのなかの小学生のところで、学生時代のニックネームが発表されるようになっている。

どんな感じかというと、「ヤナギさんは××な性格の小学生でした!
そんなヤナギさんのあだ名は『ヤナっち』でした!」
このようにキャラ名の文字1つか2つ + よくあるあだ名のパターンが尻にくっつくといった具合だ。

自分の番が終わり、カタヤマ君が続く。
「カタヤマさんは××な性格の小学生でした!
そんなカタヤマさんのあだ名は『カタやん』でした!」

最後はタンジ君。
「タンジさんは××な性格の小学生でした!
そんなタンジさんのあだ名は『タンぽん』でした!」

…タンポンっ!?

僕とタンジ君は笑い転げた。
僕たち二人は姉がいたのでタンポンの事を知ってたのだが、カタヤマ君は男兄弟だけだったせいなのか知らないらしく「え?タンポンて何?」といった状態だった。

「タンポンについてはカタヤマ家の教育方針に反するかもしれないから教えられないわ。どうしても知りたいなら先生にでも聞いてくれ。」
と、普通に教えてもよかったのだが、少し意地悪してその日は結局教えずに解散。

そして次の日、学校に登校するとすでにカタヤマ君がいたのでいつも通り挨拶をした。
すると「…おぉ。」と明らかに不機嫌な様子でカタヤマくんは返答してきた。

「え?怒ってる?どしたの?」
カタヤマ君に話を聞くと、昨日あの後母親にタンポンとは何なのか聞いたらしい。

そしてマンツーマンでガチの性教育を母親からレクチャーされ、とても気まずい状態になってしまった。
普段は温厚な彼から「どうしてくれんだ…」といった恨み節をぶつけられたのだった。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?