朝靄の中に見た、念願のあの景色〜九州旅④〜
いよいよ阿蘇の広大な自然に触れに行く
目覚ましが鳴る。あたりは真っ暗。何かの間違い?と思うが、4時半に目覚ましをセットしたのは私だった。草千里の朝焼けを見に行くのだ。
眠い目を擦りながら必要最低限の準備をし、まだ寝ている看板わんこを横目に車を走らせる。まだ薄明るい道を行くと、道がひらけて朝日に照らされた大きな山が。とても美しかった。
しかし、空には晴れているところと厚い雲に覆われたところがある。不安だ‥
草千里に近づくにつれ、霧が濃くなり、怪しい雰囲気に。
そしてナビが目的地に到着しましたと言った途端、愕然とする。
真っ白!!!どこが草千里‥?あたりが霧で覆われており、駐車場から見る限りでは放牧されているはずの馬もいない。これは‥
とりあえず晴れるのを待つことにして、車で仮眠をとることに。
6時になっても、辺りは真っ白。朝は諦めて後から来るか‥。そう思ったけど、彼は諦めてないよと言った。とりあえず少し歩いてみようということに。
すると駐車場から少し歩いた場所に、馬が見えた。こっちの方面だったか。
しかも、霧はあるけれどなんだか幻想的な雰囲気だ。
辺りは霧で視界が少し悪く、芝生は朝露に濡れていた。
でも、遠くに見える馬に近寄ろうと、靴を濡らしながら進んだ。
それはハッとするような景色だった。
見え隠れする後ろの山。水たまりでできた池の近くには、馬達が自由に草を食んでいた。誰かの夢の中に来てしまったような、現実世界とは少し離れたような景色に心を奪われてしまった。
ここが、私がずっと思っていた草千里。
馬に近づいて少し触れる。とても大きくて立派だった。
7時をすぎると霧も少しずつ晴れて、青空が見えるように。
すると後ろの山々の所々に満開になった「ミヤマキリシマ」の花が。
緑と少し褪せた茶色の中から、生き生きとしたピンク色がのぞいている。そんな山を背に、馬達はいつも通り草を食べて、時に寝転んでいた。(目の前で馬が突然寝転ぶ姿を初めて見た)
ここには自然があって、私たちはそこに来ているだけだった。
天気が残念とか(結果的には晴れたけど)、想像していた景色と違ったとか、観光に足を運んでいるからそう思ってしまうこともあるけれど、いつでもそこにある自然はそのままなのだった。
実は朝ごはんは8時と言われていた。このままでは間に合わない。
でもここにある景色を目に焼き付けたかった。宿の方には電話をして遅れる旨を謝り、草千里の景色を堪能させてもらった。
急いで宿に戻ると、それまでずっとぐでーんだった看板わんこがしっぽを振って遊んで!と言わんばかりにこちらを見ている。ごめん、今は時間ないと言って扉を開け、宿の方にごめんなさいと謝ると、「綺麗だったでしょう」と笑って出迎えてくれた。
急いで朝ごはん会場に向かうと、これまた豪華な朝ごはんが。
こんな小鉢の数見たことない。でも迷惑をかけないよう、30分で味わいながら完食した。もちろんお櫃も空っぽに。(彼は3杯食べていた)
ここの白ごはんがこの思い出を振り返ると話題に上るほど、ツヤツヤで粒だっていて美味しかった。ご飯が美味しいとするすると胃に入っていくから不思議。そしてたくさんの小鉢も、本当に驚きなのだが、どれも丁寧に手間をかけて作られていることがわかる味だった。こんなどれも心から美味しいと思ったのは初めてだった。
お礼を言って宿をチェックアウトする。その際、ワンちゃんの名前を聞くと「チャック」とのこと。出る前に目一杯撫でさせてもらった。可愛すぎる。
宿を後にし、第一スポットへ。
ドライブ中も絶景が続きます。
突然現れる牛たち。すごい良いところに暮らしてるわね〜。
まずは見晴らしがいいと人気の田子山展望所へ。
山頂までは、麓の駐車場に停めて約20分のトレッキングとのこと。スカートで来るんじゃなかった〜!と言いながら、ヒイヒイと山を登っていく。
なんとか山頂付近まで来たのはいいが、最後の道でくまんばちが飛び交っていた。マリオのコースかの如く最後の難関を潜り抜け、絶景を見れるということか。意を決して、叫びながら通過する。
登りきると一面に広がる阿蘇の景色。
そして、そらふねの桟橋と呼ばれる展望スポットも。苦労して登ってきて良かったと思える絶景を眺めることができました。
くだりの山道では2人とも子鹿のように足がプルプル。
疲れ切ったので、次は阿蘇ミルクファクトリーへ!
朝ごはんでも阿蘇の牛乳をいただきましたが、私が飲みたかったのは飲むヨーグルト!
さっぱりとした口当たりの中にも濃厚さがあり、配送で家に送ろうか迷ったほど。定期便にして欲しい‥。お土産屋さんも充実していて、外には立派なバラ園があったりと、立ち寄るだけでも楽しむことのできるスポットでした。
ドライブしていると、ヤギを発見!
見晴らしのいい広い公園の一角にヤギたちがいました。子ヤギが可愛すぎた…
その後、白川水源で涼んだり、
道の駅あその望くぎのに立ち寄ってお土産を買ったのち、
空港へ行く前の最終ソフトクリームを食べに行きます。
行きたかったところが時間の都合で難しそうだったので、検索してヒットした「山田さんちの牧場 ミルクの里」へ。
近くにはポニーやアルパカが飼育されているミニ牧場があり、多くの子供連れファミリーで賑わっていました。
ソフトクリームの他にもジェラートもあり、迷ったけれど、王道のミルクソフトを。100%牛乳のソフト、とても美味しくて旅の締めに最適でした。
名残惜しさも感じつつ、熊本空港へ。
つい最近リニューアルされたということで、とても綺麗でお土産屋さんもおしゃれで充実。フードコートもあり、とてもいい空港だった。
そして、熊本に別れを告げ、飛行機へ。
私たちに珍しく天候に恵まれた阿蘇。
前半が天気悪かったからこそ、晴れとのコントラストがあり、楽しめたのかなとも感じた4日間。
今まで色々な絶景と呼ばれる場所へ行ったけど、阿蘇には他ではあまり見ることのない景色があったのが印象的だった。この後の人生の中でも記憶に残る旅だったのかなとも思う。
思い立ったら行きたい場所へ行く。
これからもこの思いを大切にしていきたいと思った九州旅でした。
おわり
#わたしの旅行記
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