旅の風景と、その前 -結婚式準備編-
2024年5月18日、
奇跡のような晴天の中で
大切な人に見守られて結婚式を挙げた。
結婚式のことを語りだすと、
いろいろな思い出がぐちゃぐちゃになって今でも泣きそうになる。
でも、忘れないうちに、
伝えきれなかったことも含めて文章としてここに残しておきたい。
これは、結婚式のカメラマンさんが当日の写真と共に
Instagramのキャプションに書いてくれた言葉だ。
私が当日一番感じて欲しかったことを、前日から共に過ごし、ファインダー越しに当日の全てを隈なく見てきたカメラマンさんが言葉にしてくれたことが、心から、心から嬉しくて少し泣いた。
少し長くなるけれど、私の結婚式について
前準備、当日のこと、さらに詳細のことの3部作で
記録としてまとめていきたいと思う。
今回は、前準備のこと。
結婚式のコンセプト
結婚式の11ヶ月前。
私がフリープランナーさんに、Instagramの DMを送ったのはプロポーズされたすぐ後だった。プロポーズされる前から、早く連絡したいと待っているくらいだった。
立派なチャペルでの結婚式は何回か参加していて、どれも素敵だったけど、
自分でひとつずつ選びたい派の私は
フリープランナーさんにお願いしたいと思い、事前にリサーチをしていた。
それくらい、やりたい結婚式の理想像を思い描いていたし、
誰にお願いしたいというのもだいたいは決まっていた。
プランナーさんは、偶然知人2人と繋がりがあったりと運命を感じ、
その人柄にも惹かれ、初めて会ったその日にお願いしますと連絡をした。
その時に、私は結婚式のコンセプトを
「水平線」にしたいんです。と伝えていた。
私たちが選んだ結婚指輪のシリーズ名。
そして、穏やかな水面がずっと続く様子が
これから私たちが目指す未来そのものだと感じたから。
そんな話を踏まえて、私たちが暮らしや旅行を大切にしていること、
写真を撮ることが好きな事から、水平線という意味も含めた
「旅の風景」
をコンセプトにした結婚式作りが始まった。
森と川に囲まれる会場
結婚式の9ヶ月前。
私たちが選んだ会場は、プランナーさんが見つけてくれた。
愛知県民でもなかなか訪れる機会の少ない新城市にある、できて間もないオーベルジュレストラン「cure cafe」さん。
本当に、こんなところに?という道を進むと、突然現れる森と川に囲まれた木造の建物。
ご家族で経営されており、建物設計は一級建築士のお父様がされているとのこと。
シェフは弟さん、バリスタはお姉さんとスペシャリストの集まるご家族‥!それでいてアットホームで、温かい雰囲気がとても素敵だった。
私たちは旅行先に自然豊かな場所をよく選ぶ。
眺めのいいこの場所で式を挙げられたら素敵だなと想像した。
家族とそのまま宿泊できるのも嬉しいし、
使ってもいいギャラリーもあり、その日の帰りの車で会場を決めた。
結婚式会場として使用するのは私たちが初めてだった。
カメラマンさんに、前例がないんです、と話したら
前例がないという言葉が一番ワクワクします。と返事が来た。
私も、とてもワクワクしていた。
街中の紙とデザインが目に入る
結婚式の5ヶ月前。
プリンターを買った。メルカリで。
ペーパーアイテムは自分で作ろうと思った。
InstagramやPinterestを見れば、素敵なデザインのペーパーアイテムを作っている人が多くいることを知った。ポチポチとブックマークをしていたが、実際に自分で手を動かすとなると、何からすれば良いかわからない。
みんなが投稿するキャプションを血眼になって読んだり、自分で検索して調べた。
ただ、紙の質が要であることはわかった。
調べていくと東京の新宿には「世界堂」という紙の卸問屋があることを知り、
自分の住んでいる最寄駅の商業施設の奥にも(今まで足を踏み入れることはなかったが)少しだが色んな種類の紙を置いていることを知った。
目にして、手にとって初めてわかる、紙の良さ。
しかし、これを自分で印刷するとなると、キンコーズなどの印刷店で高い持ち込み料金を払うことになる。
思い切って、プリンターを買うことにした。
できる限りの節約をしながら結婚式準備をしたかったので(この辺りのシビアなことも別記事でしっかり記録しておきたい)、どんなプリンターの種類があるか、インクの数なども少し勉強した。
メルカリで買うリスクも合ったが、状態をしっかり確認して購入。
結果、買って大正解。
プリンターがなかったら作れなかったものが山ほどある。プリンター無くして結婚式あらず、私の場合ではあるが。
そして、自分でペーパーアイテムをデザインするにあたり大活躍したのがcanva。全てのデザインをこちらで作成した。
仕事でも使っていたので慣れていたが、やっぱり素晴らしい。
しかし、デザイナーさんはすごいんだなと実感した。
頭で思い描いたデザインを作れば、なんか違う、のオンパレード。
最終的にはこんなもんか。と自分を納得させながら進めていったけれど、世の中のデザインってすごく計算されて作られているんだなということがわかった。
でも、ペーパーアイテムは気に入っている。
自分で一つずつ選んで、文字のフォントと位置を考えて、
設計図を作って、試作をして、ようやく完成した形。
「旅の風景」をコンセプトにしていたので、窓をイメージした席札にした。
席札の裏にはポッケがあり、チェキを入れることで
その日過ごした風景を閉じ込めるという意味を込めたが
最後の方はバタバタで友人にしかチェキを渡すことが叶わなかったことが悔しい。
どうしても写真の展示をしたかった
結婚式の1ヶ月前。
私には結婚式でやりたいことがあった。
それは、高校時代からの友人に(そしてプランナーさんとも関わりがあった)結婚式の前撮り写真を撮ってもらい、展示として飾ること。
だからこそ会場は展示スペースが必要だった。
友人との前撮り旅は、滋賀の琵琶湖周辺で行うことに。
琵琶湖は私たちが付き合った日に行った、思い入れのある場所。
そして、もうひとつ。
大学時代に通っていたお店が、なんと琵琶湖に新しくオープンしたと聞き、メールをして快く撮影を受け入れてくれた。さらに、結婚式の帰りに渡すプチギフトのお菓子をお願いすることに。
昔からお気に入りだった「ゴマはとサブレ」は、私の好きな鳥モチーフだし、鳩は平和の象徴で幸運をもたらすと言われているし、贈り物としてぴったりだった。
店主さんと久しぶりに会って、変わらずおかずの味付けや食材の質問をしたりして美味しくご飯をいただいたけど、ドレスを着ながら食べている様子が面白いとみんなで笑った。
あの頃と変わったことも、
変わらないこともあるけど
ご飯が美味しくて、
大切な人たちがみんな元気に過ごしていて、
それで良かった。
今まで別の仕事と並行してフォトグラファーの活動をしていた友人だったけれど、この春にフォトグラファー一本での活動を始めた。
忙しくも、記念すべきタイミングでお願いできることは、とても幸せなことだと思った。
一度、私の住んでいる地域に来たときに自宅や、自宅近くの公園で夫と二人で撮影してもらったこともあったから会うのは2度目だったけど、
始終リラックスした空気が流れていて、私たちらしい写真が撮れたと思う。
当日の少し曇りの天気も、琵琶湖、余呉湖の雰囲気ととてもよく合っていて素晴らしかった。
友人のおすすめで、初めて余呉湖に行ったが、琵琶湖よりも好きな雰囲気で、結婚式のキービジュアルは余呉湖で撮った写真に。
ちょうど桜と菜の花がきれいに咲いている時期で、カメラを持った方達がたくさん撮影に来ており、私たちはみなさんの被写体に。笑
おじさんが「幸せになってねーーー!」と叫び、
夫が「もう幸せでーーーす!」と叫んでいてウケた。
当日の展示の様子は改めて紹介したいと思う。
Yahoo天気予報をリロードする毎日
結婚式前々日。
タスクをしっかり管理し、スケジュール通りに進めていった甲斐あって
直前はスムーズすぎるほど準備に関しては心配がなかった。
心配なのは天気のみだったが、日が近づくにつれ晴れマークになるYahoo天気予報。朝、目が覚めたらYahoo天気を見るのが日課になっていた。
翌日は搬入の予定があったので、この日は自宅での最後の結婚式準備。
朝から初めてのネイルサロンへ行く。
一度帰宅してお昼ご飯を準備した後、展示に飾ったり、頭につけるお花の調達。駅前のお花屋さんにはいいお花が見当たらず、自転車で少し走ったところにあるお花屋さんに。
入籍時、記念写真を撮るためにここで花束を買ったことを思い出した。
お店にはドンピシャなお花がたくさんあった。
悩んでいると、お姉さんが声をかけてくれ、色々と提案しながらさっさっとまとめてくれた。車での運び方や、保存の仕方まで丁寧に教えてくれて、とてもお気に入りのお花たちが手に入って幸せな気持ちになった。
式が終わった後、InstagramのDMで連絡すると喜んでくれた。
夕方、私は翌日の道中に車の中で食べるお弁当と、夜ご飯の準備。最後まで体にいいものを、と栄養満点の手料理をお弁当にすることにしたはいいものの、結構疲れた。その後、薬局へ結婚式が終わった後に家族で集まるときに食べ飲みするものの買い出し。部活の打ち上げかバーベキューのような量で、なんか楽しかった。
夜は2人で荷物の指差し確認。リストを印刷し、漏れがないか、場所を2人で把握する。車で3時間半。取りに戻れる距離じゃないからね。
あとは、晴れてくれるだけ。そう言えるまでに準備は完璧だった。
アジフライはまた今度
結婚式前日。
レンタカーを借り、車に荷物を積み込み、出発。
サービスエリアでお弁当を食べた。たんぱく質が取れるようにと、鶏胸肉とブロッコリーを入れたが、筋肉を育てている人並みの結構なボリューム。
マッチョ弁当を食べ、車を走らせ、
会場についた。
その日も、森の木漏れ日が美しい晴れだった。
プランナーさんと、カメラマンさんが
到着していて、いよいよ始まるんだな、
と気持ちが高まったことを覚えている。
到着してからはひたすら展示の設営。
実は展示のスペースをちゃんと見るのはこれが初めて。想像より広い空間で不安になったけれど、余白があっていい塩梅に収まってくれた。
合間で挙式の練習。
何もない空間で、私服で行うので、
ごっこ遊びみたい。
プランナーさんに日焼けだけは気をつけてください!と言われるくらい陽がさんさんと射していた。
18時ごろにはなんとか展示の設営も終わり、当日同じ場所に宿泊するカメラマンさんと3人で近くにご飯へ行くことに。と言っても15分ほど車を走らせてようやくお店がある。
地元の人が集う定食屋さん。壁に煮魚、焼き魚、日替わりの札がかけてある。
どれも美味しそうで、迷う。
私が「何も考えなければアジフライなんだけど‥」と口にすると
彼が「自分もそうかも‥」と言う。
カメラマンさんが
「すいません、自分はアジフライで‥」
と言うので
2人で「もちろんどうぞどうぞどうぞ‥!!」とダチョウ倶楽部のような会話になった。
式が終わったらアジフライを食べる、がタスクに追加された。
帰りに、朝ごはんを買うためにコンビニに寄る。
入り口に向かうとバチバチッ!という音が。虫退治のためのものらしい。
調べたら電撃殺虫灯と出てきた。
私がこんなものがあるんだ‥と驚いていると、和歌山出身の彼と鹿児島出身のカメラマンさんが「見たことないなんて‥」と驚いていた。
帰り、車に乗って帰ろうとするとカメラマンさんが電話に出る。
スピーカーから可愛い声が聞こえた。
4歳の息子さんかららしい。
後から聞くと、出張に行くとおもちゃをお土産にお願いされるようで、その電話とのこと。
ごめんね、こんな遠くまでお父さんを呼び出してしまって‥
会場に戻り、車の外に出ると一面の星空が広がっていた。
カメラマンさんにとっては見慣れた光景らしい。羨ましい。翌日の天気も期待できそうだった。
お風呂に入り、部屋着姿で翌日の動きの確認と読み合わせをする。
どこのタイミングでお辞儀をするのか分からなくなり、ことあるごとにペコペコとしながら、不安な気持ちになる。
まあ、2人合ってればいいでしょうという結論になり、寝ることに。
どんな1日になるんだろう、
うまくみんなたどり着けるかな、
そんなことを考えながら、ぐっすりと眠った。
当日の様子は次の記事で。
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