自分の子どもに「日本はやっぱりかっこいい」と言える仕事に - MATCHA 取締役COO 齋藤慎之介が語るビジョン
久しぶりのMATCHAのメンバーインタビューです。今回は、2022年6月1日から取締役COOに就任した齋藤くん。齋藤くんに出会ったのは、忘れもしない2013年11月。MATCHAを起業する1ヶ月前でした。
初対面なのに、人の顔をじっと見て、一つ一つ遠慮のない質問をしてくる。直感的になんか長い付き合いになりそうだな、と思いました。直感は当たるもので、今ではMATCHAの役員として、組織、事業全般を牽引しています。
MATCHA創業期 → 博報堂DYメディアパートナーズ → MATCHAへ
ー こうやって改めて聞くのは恥ずかしいね。簡単に自己紹介お願いします!
はい、齋藤慎之介と申します。普段名字で呼ばれる機会は少ないのですが、青木さんが「齋藤くん」と呼ぶので、MATCHA関係の人からはみんなに「齋藤くん」と呼ばれます。笑
宮城県仙台市出身で、高校を卒業するまでは丸坊主の野球少年でした。明治大学の商学部を卒業後、博報堂DYメディアパートナーズに入社し、デジタルマーケティング全般の仕事をしていました。
MATCHAとの出会いは、大学1年生の秋。MATCHAが立ち上がる直前に青木さんに出会い、創業メンバーとして関わることになりました。途中アメリカに留学したりもしたのですが、その間もFacebookの更新やデザイン業務を担当していました。
2018年の10月にMATCHAに戻り、いくつかの職種を経て、現職になります。
問題は、いつも自分の中にある
ー 齋藤くんがヴィパッサナー瞑想をした後に、「問題は、いつも自分の中にある」と言っていたのが記憶に残っている。今この言葉を振り返った時に、思うこと、エピソードがあれば聞きたい。
博報堂退職後に、ヴィパッサナー瞑想に行きました。ヴィパッサナー瞑想を通じて自分を客観的に観察すると、自分の奥深くに眠っていた汚濁が表に出てきて、課題が出てきて、これだ!と言葉が降ってくる瞬間が7日目くらいにあったんですね。
その言葉を、書家の小杉さん(現MATCHAのディレクター)に書にしてもらいました。
このコロナ禍の厳しい2年半も、常にこの言葉に向き合ってきました。
何か壁にぶつかったときに、嫌で嫌でたまらない毎日になるか、前に進むための良き試練の日々になるかは、自分の捉え方次第で変わります。
相手に何かを伝えようとして、それがうまく伝わらなければ、相手が悪いのではなくて自分の伝え方を工夫した方がいいかもしれない。
自分を取り巻く環境のせいにするんじゃなくて、自分が変われることはないか?と考えることで、困難にも強い気持ちで立ち向かっていけると思っています。
自分の力でどこまでできるか
ー コロナの2年間、特に去年は本当に大変な一年だったよね。自分としても心身ともに辛かった記憶がある。話は少し変わるけれど、MATCHAに戻ってきた理由、決め手を教えてほしい。
これはよく聞かれる質問なんですが、なんですかね、「チャレンジしてみたい」と思ったというのが正直な気持ちです。当時は、将来のこととか、キャリアのこととか、十分に考えられていなかったと思います。
会社の名前じゃなくて、自分の名前で、自分の力でどこまでできるか、挑戦してみたい、飛び込んでみたい、という気持ちが大きかったです。
元々、MATCHAが目指す世界観には共感していましたし、ちょうどMATCHAが星野リゾートやSnowpeakから資金調達をした時期で、外国人観光客が右肩あがりに増えていて、そんな追い風市況の中でMATCHAを率いる青木さんの不思議な空気感に賭けてみたい、と思ったことも決め手の1つでした。
組織の立て直しと新規事業作り
ー 戻ってきてくれて、今も本当に感謝してる。正直、会社のMATCHAの空気を作り出したのは、齋藤くんが渦の中心だったと思う。その熱が伝搬して、会社が変わっていった。最近のMATCHAの業務を教えてほしい。
今は、組織づくりと事業づくりの全般を担っています。直近1年間で注力してきたことは大きく2つ。コロナで疲弊した組織を、一から立て直すことと、自治体向けの新規事業を立ち上げることです。
共通しているのは、いいものを作るということかもしれません。組織もプロダクトも、ものを作って積み上げていくこと。磨いていって良くしていくものが好きなんだろうと思います。
仲間を大事にする会社に
ー その中で、うまくいったことなんだろう?
組織づくりにおいては、「仲間を大事にする会社」を目標に掲げ、組織サーベイで今の状態をチェックして、有志のメンバーを募って「見える化」「ドキュメント文化」「エンゲージメント強化」「仕組み化・整理整頓」(頭文字を取って、MDESと呼んでいます)のための施策を行ってきました。
「見える化」1つ取っても、中期経営計画の策定や、事業数字の可視化と意識統一、人材要件やキャリアパスの定義など、個々人のモチベーションが高い状態を作ることを意識してきました。「まっちゃナイト」という、インターン生企画の場が生まれたことも良かったと思っています。
その結果「見える化」や「一体感」に関する指標が大きく改善し、今では以前よりもだいぶいい空気感になったと感じています。
事業づくりにおいては、今年の8月末にリリースを目標にしている自治体のための観光情報発信プラットフォームの開発に取り組んできました。
これまで、プロダクト開発がなかなかうまくできない組織だったのですが、大きく体制を改め、はじめて良い空気感で開発ができています。自分はプロダクト開発経験は乏しいので、経験のあるメンバーにアドバイスをもらいながら、60を越える地域の方々にアンケートやヒアリングをしたり、泥臭い業務を繰り返しながら仕様を作っています。
プロダクトについては本当にいいチームでタッグが組めていて、早く世の中に出したい気持ちでいっぱいです。
役割分担と仕事の三原則
ー この1年、特にこの半年の齋藤くんの変化は大きかったと思う。きっかけはなんだったんだろう?
まずは役割分担を明確にしたのが良かったです。代表の青木さんが、より資金調達や会社の外に出る存在に。組織や事業を僕やCTOの西脇さんで行うというのを分けました。
それによって、青木さんの意志決定を仰ぐのではなく、自分で決めるということがより主体的にできるようになって、動きやすくなりました。周りもそれをちゃんと理解して、認めてくれている感じがあります。あとは、マネジメント対象の人数が減ったのは大きい。やっぱり1人で見れる数というのには限界がありました。
また、この半年間で、自分の中で「仕事の三原則」というものが生まれました。それは、①人 ②目標設定 ③時間の使い方です。時間の使い方というのは、優先度を決めること。当たり前かもしれませんが、難しいです。
この3つをちゃんとできれば、きっとうまくいくと思うんですよね。
自分の子どもに「日本はやっぱりかっこいい」と言える仕事に
ー 最後の質問になる。今後の展望、未来の自分に向けたメッセージを聞きたい。
僕は、自分の子どもに「日本人で良かった」「日本はやっぱりかっこいい」と思ってもらえるような、次世代に繋がる仕事をしたい。そのために、日本人であることに誇りを持てる仕事がしたいと、常々思っています。
自分の原体験のひとつに、あるゲストハウスでのバーテンダーの経験があります。日本に来ることを心待ちにしていた人、日本が大好きで何回も来ている人など、本当に様々な理由で日本を訪れる人達と話しました。
そのときに、「そうでしょそうでしょ、日本ってかっこいいでしょ」と心の中でとても誇らしい気持ちになったんですね。
けれど、魅力をうまく伝えられなければ、そんな気持ちになれることも無いかもしれません。僕はMATCHAを、誰もが日本の魅力を世界に伝えることができ、日本中の方がそんな誇らしい気持ちになれるような会社であり、プラットフォームにしたいと思っています。
インバウンド観光は、今後の日本にとって非常に重要な産業です。MATCHAは「日本の未来を創る会社」だと思っています。ぜひMATCHAを大成功させて、いつか田舎に小洒落たバーでもやりながら、そこを訪れる旅行客と永遠と語らえたらいいですね。
あとがき
嬉しさと責任感。このインタビューが終わった時に浮かんだキーワードがこの2つです。齋藤くんがMATCHAに博報堂から戻ってきた時の嬉しさ、そしてこうやって面と向かって対話できている嬉しさです。
同時に感じたのが責任感です。選んでくれたというのは、他を選ばない選択をしたということです。本人の覚悟に自分はどこまで応えられているのだろうか。まだまだ自分自身が手放せること、齋藤くんや周りのメンバーが120%力を発揮できるように、また力を出した以上の結果を出せるようにするために、まだまだできることはあるのではないか。
齋藤くんを始め、働く一人ひとりのライフステージが変わってきています。それに合わせて、いやそれ以上に、自分や組織をともに成長させていきたいと強く思いました。
今、MATCHAでは採用強化中です
MATCHAではインバウンド再開に向けて、採用を強化していきます。募集している職種は、地域や起業と向きあうプロデューサー、人事、広報、コーポレート、編集者と多岐にわたります。ぜひ、少しでも興味がある方がいれば、上記サイトを見てもらえると嬉しいです。カジュアル面談も歓迎です。
今までのインタビュー
MATCHAには、一人ひとり個性豊かな人が働いています。近日中も公開予定です。
写真:田辺 莞菜
最後まで記事を読んでいだきありがとうございます。毎日更新をしているので、よかったらまた読んでもらえると嬉しいです。