ディスカッション=協働学習ではない
こんにちは、あおきです。最近、教育記事についてさぼりまくってました。。。今日は仲間と一緒に学ぶ方法である協働学習について考えてみます。このテーマについて深く考えるために、参考にしている本もあります(めっちゃアクティブラーニングについて濃い内容なので教育関係の方は必読です、バイブル)。
協働学習とは
ざっくり言うと、協働学習とは仲間と一緒に学ぶ形式の学習です。従来の日本の教育というと、教師が生徒に教えるという一方向の形式が一般的でした(まあ、もっというと今でも)。しかし、協働学習はその逆です。学習者同士が互いに教え合い、学び合うことで、深い理解や新しい視点を得ることを目指します。
協働学習のプロセスは、複数の学習者が共同で知識やスキルを構築するための一連の活動を指します。まず、目標を明確に設定し、学習者間で役割分担を行います。次に、各メンバーが独自の視点やスキルを持ち寄り、問題解決や課題達成に向けて協力し合います。
この過程で、メタ認知的スキルが発揮され、自己と他者の学習プロセスを意識し、フィードバックを繰り返しながら知識を深化させます。さらに、ピアレビューやリフレクションを通じて、個々の理解を確認し合い、共同で生成した知識を統合し、最終成果物としてまとめ上げます。このように、協働学習は単なるディスカッションを超え、構造化された対話と共同作業を通じて深い学びを促進します。
ディスカッションと協働学習の違い
ここで一つ重要な点があります。それは、ディスカッションと協働学習は同じものではないということです。ディスカッションは、あるテーマについて意見を交換し合う場ですが、必ずしも全員が協力して学ぶわけではありません。一方、協働学習は、共同で課題に取り組むことで、全員が学びのプロセスに積極的に関与し、互いに支え合うことを求められます。
ディスカッションは協働学習の一部として機能することもありますが、それだけでは協働学習の本質には届きません。協働学習では、目標達成のために計画を立て、役割を分担し、互いにフィードバックを行うことが必要です。ディスカッションだけでは、このような深い学びのプロセスは実現しにくいのです。
協働学習のメリット
協働学習の大きなメリットの一つは、学習者が主体的に学ぶことができる点です。互いに教え合うことで、知識を深め、理解を深めることができます。また、他者の視点を知ることで、自分の考えを広げることもできます。
さらに、協働学習は社会的スキルの向上にも寄与します。コミュニケーション能力やチームワークのスキルは、現代社会において非常に重要です。協働学習を通じて、これらのスキルを実践的に学ぶことができます。
協働学習の実践例
具体的な協働学習の実践例としては、グループプロジェクトがあります。学習者が小さなグループに分かれ、共同で調査や発表を行います。例えば、ある歴史的な事件について調べるプロジェクトでは、各グループが異なる視点から情報を集め、最終的に一つのプレゼンテーションを作成することが考えられます。このプロセスを通じて、学習者は協力し合いながら、深い理解を得ることができます。
協働学習の課題
しかし、協働学習には課題もあります。一つは、全員が均等に参加しない可能性があることです。特に内向的な学生や、意見を出すのが苦手な学生は、協働学習の中で孤立してしまうことがあります。このような場合、教師はグループのダイナミクスを注意深く観察し、全員が積極的に参加できるように支援することが重要です。
また、協働学習には時間と労力がかかるため、カリキュラムに組み込む際には十分な計画が必要です。短期間で成果を出すのは難しいかもしれませんが、長期的に見れば大きな成果を得ることができます。
まとめ
ディスカッションと協働学習は似て非なるものであり、協働学習の方が深い学びを促進するためのプロセスが含まれています。学習者が主体的に学び、互いに支え合うことで、知識の深まりや新しい視点の獲得、社会的スキルの向上を図ることができます。一方で、協働学習には全員が均等に参加するための工夫や、十分な計画が必要です。教育現場でこれらを実践することで、学びの質を大きく向上させることができるでしょう。
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