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アンプロフェッショナリズムの認識の学生と教員のずれ

こんちは、あおき(医学教育中)です。きょうは論文の抄読会でテーマとなった、アンプロ行動の学生と教員との間の認識のずれについてのメモです。論文は以下の論文です。(詳しい情報を知りたい方は、かならず論文を読んでください。)

プロフェッショナリズム

というのは、医療従事者が専門家として社会にどうふるまうのがよいかについての態度、価値観、行動、および周囲との相互作用として定義されます(むずい)。なんか、ここは議論があるところで、定訳ってのがないんです。プロ意識くらいな感じかなあと認識しておいてください。

良いふるまいの逆が、アンプロフェッショナル行動になります。あとでも出てきますが、不正行為や無礼な行為、社会規範から外れた行為などが該当するようです。

研究の内容

研究では、サウジアラビアの医学生の750人の学生と医学部の臨床および非臨床部門の50人の教員の教員に以下のアンケート調査を行いました。

Dundee Polyprofessionalism Inventoryでは、各アンプロフェッショナル行動に対して、1.無視(なし)ー 10.規制機関に報告する までの10段階で制裁措置を評価します(評価方法おもろい)。たとえば、アンプロ行動はこんな感じ。

不在の友人のために出席シートに記入する、昼食時にアルコールを飲んで午後に患者さんの面接をする、データの捏造や改ざん、学生を脅迫する、授業に遅刻する、セクハラ、盗用、試験での不正行為、無断引用、机や椅子に落書きする、カルテの撮影や持ち出し、体の部分について冗談を言う、SNSの不適切な利用

あきらかにあかんぞこれっていうものから、遅刻までいろいろありますねえ(わたしは遅刻学生だったので何とも言われんす)

試験を受ける前に試験に関する情報を交換する(例:OSCE)、データの捏造と改ざん、試験に合格するための不正行為、別の学生のためにレポートを書く、仲間の学生に違法薬物を提供する、以前に提出した課題を別の作業課題として提出する、盗用、履歴書や成績の改ざん、児童ポルノへの関与、体の部分について冗談を言う、SNSの不適切な利用

という感じの多くの項目で、教員のほうが厳しく厳罰するべきであるという評価をしているようです。

あおきの考え

こうしたことを考えると、教員と学生の間でアンプロ行動をどれほど重く受け止めているのかについては違いがありそうですね。これがいい悪いということではなくて、もちろんこういう行為を軽視していないかたがたもたくさんいますよね。

認識のずれは埋めたほうがいいのですが、そんなに重いと思っていなかったことに対して、「こうしなさい!」と何回も伝えるとかえって反発が生まれることもあるかなあとも思います(遅刻とかは言うだけではどうにもこうにもならないこともありますからねー)

アンプロ行動を減らすと同時に、プロフェッショナルな行動を増やせるといいと思うのですが、プロフェッショナル行動ってなんなんだろうという疑問にも当たりそうです。プロフェッショナルは奥が深いですね。

アンプロ行動については興味深い論文がほかにもありますので、またご紹介できればと思います。では!

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