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AmazonやFacebookではどのように会議をしているか /ファシリテーション一日一話

英語の勉強もかねて楽しみに聞いているポッドキャスト「マット竹内の1日5分ビジネス英語」には、仕事に役立つ時事ネタがたくさん取り上げられている。先日はテック企業の会議法を取り上げていた。とても役立つ内容だったので、紹介したい。

ジェフベゾスが提唱する「2枚のピザのルール」


Amazonのジェフ・ベゾスが提唱するのは有名なTwo Pizza Rule。これは会議の参加人数に関するルールだ。「2枚のピザを分けて、行き渡らないほどの人数が会議室にいたとしたら、それは多すぎる」という意味。2枚のピザが行き渡ってちょうどいい人数ぐらいにしておこう、とのこと。7−8名以内というところか。

人数が多すぎる会議はやめよう、という意味をあらわすのにピザ2枚出すのがアメリカらしい

また「作り込んだメモの読み込みタイム」というのを会議の冒頭に設けている。これは提案担当者が1週間かけて練りに練った資料を読む時間を30分黙読してから、話し合いをはじめる、というもの。1回の会議には綿密な調査や準備をして臨むべし、というところか。意味のある情報を会議参加者がしっかり共有してから話し合うと、意見交換がベターになる。なにごとも準備が8割。

Amazonでの会議法はこちらの書籍に詳しい。


無駄な会議をしないための工夫あれこれ


NBAのダラス・マーベリックの共同オーナーであるマーク・キューバンは「会議は本当に必要な場合のみひらく」と捉えているそうだ。もしも会議を持たずに問題を解決するのであれば、それに越したことはない、と考える。実は僕もこの考えが大好きだ。会議は皆の時間を奪うので、やらずに済むならなるべくしない。

Facebookのマーク・ザッカーバーグは、トピック・リストの共有を重要に考えている。今回の会議で何と何を話すのか=トピック(議題)をリストアップして、あらかじめ参加者に共有すること。そうすることで会議の参加者が、どんな話題が出るかをイメージして、備えてくるように促している。

テスラやXの経営をするイーロン・マスクは、長時間の会議を嫌う。というかショート・ミーティングを好む。ディスカッションが終わったら、会議の予定時間になる前だとしても、さっさと会議を切り上げる。「時間を埋めるだけの時間の浪費をしてはいけない」が口癖らしい。

マイクロソフトのビル・ゲイツは、細かな質問をミーティングで行う。ビル・ゲイツが細部にこだわって質問をすることで、参加者全員の共通理解を促す

アップルの前CEO、スティーブ・ジョブズは、面と向かった会議(Face to Face Meeting)を好んでいた。個人的な交流がよりよいコミュニケーションにつながると考えていた。カギを握る少人数だけで、丁寧に話し合う派だったらしい。

グーグルの前CEOエルク・シュミットは、「会議にはヒエラルキーが必要だ」と信じていた。会議にリーダーを置いて、迅速な意思決定を促し、長時間のディベートを避けた。

FacebookのCOOシェレル・サンドバーグは、ミーティングのサマリーを会議のあとに必ず送っていた。会議のカギとなるポイントと、取るべき行動が明記されていた。このメールのお陰で全員が、会議で何が議論され、何をすべきかを思い出すことができた

もしも、これらの会議Tipsを、職場で活用できれば、有意義な時間を過ごせるだろう。と記事は締めくくられている。

会議はその団体の文化を表す

それぞれの経営者が会議をどのように観察し、自分たちなりに組み立てているか、けっこう個性も出ていて面白いなと感じた。同時に、やはり会議はその組織の文化を表す、と感じる。会議を見るとその組織らしさが、よくにじみ出ているのだ。

そういえば、若いころトヨタ自動車さんとの会議をたくさん行う機会があった。内部の人しか入れないほうの会議室に入れてもらうと「部長級ではいくら、課長級だといくら、係長級でもいくいくらの時給を、会社は払っている。たくさんの人と長時間拘束するのはコストだ。コスト・パフォーマンスのよい会議をしよう」といった類のポスターが貼られていたのをみて「すごいなぁ」と思うと同時に、「ここまで厳しいコスト意識を持たせるのは、自分が関わる組織にはちょっと向かないかもな」と感じたこともある。

なので、他の会社でやっているからといって、そのままマネをすればいい、という話ではない。おそらく「自分の組織らしい会議のあり方」にフィットした、会議法を見出すのがいいのだと思う。

マット竹内さんのポッドキャスト、英語にも仕事にも、大変役に立つので、オススメです。


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