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予定通りにやる? やらない? /ファシリテーション一日一話 25

進行表をつくるのが好きだ

ファシリテーターという役割上、進行表をかいて会議屋ワークショップを進めたりする。どの順番で何をして、どのあたりで休憩がはいって、こんな感じで発表の機会をつくって、最後は解散前に記念撮影でもしよう、とか。この進行表をつくる時間がけっこう好きで、当日の流れをイメージして、あれや、これやと考える。今回、この場に相応しい問いは何か? どんな要素をインプットすると学びは深まるか? 食事や休憩時間をどうつくると、皆の居心地がよいか。あれこれ考えて、当日を迎える。

先日、中野民夫さんに「歌と対話のワークショップ」を淡路島の古民家・琴屋でお願いしたところ、とても心地よい学びの時間を得ることができた。もうファシリテーターやワークショップや教職員としての第一線を引いた中野さんは人生の遊行期を満喫すべく、歌を歌い、絵を描いている。集った皆で、一緒に歌いまくった2日間となった。はじめあって気恥ずかしさも、だんだんほぐれ、自分の内面に深く入るワークや、呼吸を味わう時間をたっぷり取りながら、仲間たちと歌い合ってゆく。1枚の絵を皆で鑑賞してゆく「対話型鑑賞」の時間もとって、味わい深い時間となった。


一枚の絵を、いろんな角度から見つめて、感じたことを語り合う

予定通りに進まない

もちろん、こういう場をつくるにあたっても進行表をつくるのだが、僕はたいてい、さんざん考えた進行表を手放して、その場にあるもの、生じたものをつかんで、場をつくっていくので、予定どおりに進まない。たぶん、予定通りにやらない進行を楽しんでいる時期なんだと思う。では、事前に進行表を考える時間が無駄かというと、そうではない。いろいろ事前に散々思いを巡らせていたから、当日、自由に動けるんだと自分では思っている。民夫さんもとても柔軟な方なので「この歌は午後にとっておこうと思ってたけど、やっちゃおうか」とか言って、その場でよき道をチョイスしなおしていて、終始、居心地がよかった。さすがだなぁ。

布に書いた歌詞を古民家にはりつけて、野外で歌うのは気持ちいい

結果として、最終日に午前中には、予定していたワークはおおむねやり切ってしまったので、午後がぽかんと空いた形となる。パートナーのお京がつくってくれた美味しい鍋うどんを頂いたあと「午後、どんなことしたい?」と参加者にきいてみた。すると「実は私、ウクレレを持ってきていて、、」とか「私も少しギターをやるんですが」という参加者の歌声をきかせていただく時間が生まれたりし、それがとてもよかった。「せっかくなので、この2日間で歌った歌を、ぜんぶおさらいして歌いたい」という人もいて、皆でおさらいの大合唱となった。
終演後、ひとり、ひとことを頂く。話す順番も決めず、どんなことを語ってもよい場として、思い思いに言葉をおいてゆく。全員が語り終えた時、ちょうど解散時間の16:00ぴったりであった。予定通りやらない進行だったけど、時間だけは予定ぴったり閉じることができて、不思議に心地よかった。

想定を超えたものを喜ぶ

人生の計画も、会議の進行も、あれやこれやと想定をして、イメージはしてみるが、予定どおりにならないことばかりだ。予定通りいかないことをいちいちストレスに感じるのではなく「おお、こんな要素が埋もれていたか!」と喜んで受け取って、柔らかく場をつくっていきたいな。そんなことを感じながら過ごした週末であった。集まってくださった皆さんと、支えてくださった家族と、淡路島までステキな歌を携えてきてくださった民夫さんに感謝したい。ありがとう。

民ちゃんの服は毎日とてもカワイイくてセンスよかった。また来て下さい!

↑みんなで歌った曲のなかで、僕は特にコレがしんみり来ました。Youyubeチャンネル登録募集中とのこと。

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