見出し画像

話し合う前に、心と体を整える /ファシリテーション一日一話 26


中野民夫さんとのワークショップであらためて感じたのは、呼吸の大切さ。ティク・ナット・ハンさん直伝の「歩く瞑想」をはじめ、いくつもの整え方を伝授頂いた。体をゆらし、巡りをよくする。体をのばし、呼吸を深める。たっぷり美味しい空気をすって、耳を澄ませる。すると、頭もすっきりして、自分が考えるべきこと、やるべきことがクリアに見えてくる。

ほっとひと息つける瞬間を

会議や話し合いをするときも、こういう心地ではじめることが出来たら、結果は変わってくるだろう。忙しい日々の合間を縫って、駆け込むように会議室に来た参加者にも、ほっとひと息つける瞬間を提供して、ともに心と体を整える時間をとっておきたい。参加する一人ひとりが「よい状態」で話し合えれば、自ずと結果も出やすい。


歩く瞑想に旅経つ参加者。一歩一歩大地をマッサージするように歩く

一緒に歌うのもあり

以前、たしかフィリピンにスタディ・ツアーで行った時、現地のリーダーが「私たちは、会議の前に一曲歌うんだ」と簡単な歌を教えてくれた。声を合わせ、体をゆらして、ともに歌う時間はほんの数分。その時間に、皆の気持ちが合わせやすくなるのを実感した。そうか、一曲歌うのも悪くない。

僕が若いころ関わっていた環境NGOでは、「ひとり1つストレッチ」みたいなのを、回してから話し合いに入るアイスブレイクもよくやっていた。「私は、ちょっと肩が凝っているので、みんなも肩を回してみましょう」とか「僕はサッカー部でアキレス腱を伸ばすストレッチをしってるからこれをやってみよう」と、ひとり1つずつストレッチを紹介していく。人数分の違うストレッチが紹介され、全身がほぐれ、かつ皆のスポーツ歴が知れたり、体調を確認しあえたりもするので、色々な意味でよい時間となる。

どちらも出しやすくする

他にも、体や心を整える工夫はいくらもある。ある演劇ワークショップのファシリテーターは、「ため息をつく」という動作をリレーさせることで、全員の心と体を整えていたのが、とてもよかった。よく「ため息はついちゃいけない」とか「ネガティブなことを言っては行けない」という風にも言われるがあえて、皆の前で「はぁーーーー、つかれた!」「あぁ〜しんど」と、ため息まじりに一言発するというエクセサイズで、それぞれの嘆き方が面白かった。ため息とは「吐く息」、つまり出る息である。しっかり吐くことで、新鮮な空気を吸うことができて、脳や体内に酸素が入ってくる。いったんネガティブな表現を出し合ったところで、皆で話し合うと、不思議とポジティブな発言も出やすくなっていて、興味深かった。ネガティブなコトも、ポジティブなコトも、どちらも言いやすい状況を生み出したのだと僕は思う。

学んだことをおさらいする

いずれにせよ、話し合いに入る前に、体と心を整えることは大切なひとつのステップ。そんなのは、時間の無駄だと思わずに、少し時間をとってやってみよう。中野民夫さんに教わったワークは、いずれもシンプルで深く、味わい深いものでした。忘れないうちにおさらいしたいし、リアルで淡路島に来ることができない人に、少しでも味わってもらいたくて、オンラインで中野民夫さんのお話しをきく機会をつくりました。

森の案内人・三浦豊さんといっしょにやっているオンラインサロン「みんなの森のサロン」でのゲストを招いての特別会「森と対話と歌と絵と」です。チケット代2000円でどなたも楽しめますので、ぜひおいでください。2024年6月20日夜20時-22時。アーカイブ配信もあります。↓チケットはこちらから

この記事が参加している募集

#日々の大切な習慣

with ライオン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?