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脳を刺激する!知的雑学トリビア・豆知識

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アシモフ流!思考を解き放つ雑学の世界|アシモフが示したように、知識とは単なる情報の集積ではなく、その情報をどのように結びつけ、理解し、活用するかによって価値が変わります。本マガジ…
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#アシモフ

ヘッケルの『反復説』はウソ【知的雑学トリビア・豆知識】

いまだに堂々と教科書に必ず載っているエルンスト・ヘッケルの「反復説」は学問的に大問題であるが、実はヘッケル自身、人格的に問題のある人物で、平気で偽物造りをやったのである。 反復説で彼が提出した資料も、学者たちから、それが人工的なものであることを次々と暴露されたのである。 逃げ場のなくなった彼はついにそれを認めたが、一九〇八年に臆面もなく、次のような一文をベルリンの新聞に書き送った。 それによって我々は、進化論学者たちがグループで偽物造りをしていたことを彼の暴露で知ることができ

4枚カード問題(ウェイソン選択課題)正解率5%【知的雑学トリビア・豆知識】

4枚カード問題(ウェイソン選択課題)は、イギリスの認知心理学者 Wasonが考案した条件付き推論問題であり、「PならばQである」という形式の、条件付きカードに違反している可能性のあるものを見つけるという問題。 論理学や認知心理学における有名な実験で、人々が条件文に対してどのように推論するかを調べるために用いられます。具体的には、以下のような設定で行われます。 問題の設定 4枚のカードがあり、それぞれには片面にアルファベットの文字、もう片面に数字が書かれています。例えば、以

太宰治に学ぶ、作品と読者の静かな対話【知的雑学トリビア・豆知識】

自作を説明するといふ事は、既に作者の敗北であると思ってゐる。 わからん奴には、ぶん殴ったって、こんりんざい判りっこないんだから。 芸術の解釈と理解の限界について、太宰治の言葉は多くの示唆を含んでいる。彼の言葉から、創作者と鑑賞者の間に横たわる理解の溝を見ていこう。 まず、太宰は「自作を説明するといふ事は、既に作者の敗北であると思ってゐる。」と言う。これは芸術作品の本質を鋭く捉えた言葉だ。真に優れた作品は、その存在自体で完結し、鑑賞者に語りかける力を持つ。もし作者が説明を

芥川龍之介とキリスト教【知的雑学トリビア・豆知識】

芥川龍之介、あの名作家の晩年にイエス・キリストへの興味を深めていたという事実は、意外と知られていない。それどころか、この事実は日本の文芸評論界ではあまり触れられない。だが、これは芥川を理解する上で極めて重要なポイントだ。 芥川の最後の作品は『続西方の人』というキリストについての作品であり、彼が自殺したとき、枕元にあったのは聖書だけだった。これは全ての日本人が知っておくべき基本的な事実だろう。芥川は自殺する直前までキリストについて書いていた。 7月10日に『西方の人』を脱稿

あなたの無意識が決める未来:アンコンシャス・バイアスとは?【知的雑学トリビア・豆知識】

アンコンシャス・バイアス: 見えない偏見との向き合い方 無意識のうちに持つ固定観念や偏見、これがアンコンシャス・バイアスだ。この現象は、私たちの社会生活や意思決定に深い影響を与えている。例えば、採用面接、教育、医療の現場など、あらゆる場面でその姿を現す。 アンコンシャス・バイアスは、私たちの脳が効率的に働くためのメカニズムの一部だ。脳は膨大な情報を瞬時に処理するため、過去の経験や学習からパターンを見出し、それに基づいて即座に判断を下す。このプロセスは大部分が無意識に行われ

人格適応論《性格6分類説》エリック・バーン【知的雑学トリビア・豆知識】

性格とは 性格とは、人の行動や考え方を特徴づける、比較的安定した態度と定義する。英語の「キャラクター」(character)の語源は、印章を彫る道具を意味するギリシャ語の「カラクテール」(kharakter)であり、そこから「特徴的な印」という意味が生じた。 性格には遺伝が影響することが知られているが、子供時代の体験とそれに対する適応が性格を決定する重要な要因となっている。 心理学の進展 20世紀初頭の心理学では、主に心の病を抱えた人々の研究に焦点を当てていた。しかし、

聖書までコオロギ食を推している?【知的雑学トリビア・豆知識】

[レビ記:11章22節]の記述:日本聖書協会(1955年版)と新世界訳聖書(2019年版)の比較。 たしかに、『コオロギは食べて良い』とハッキリ書いてありますね。 バッタなど跳足がある昆虫は食べても良いが、跳足のないカブトムシやコガネムシなどは食べてはいけないようです。 イナゴやバッタなどの昆虫は6本の足を持っています。 レビ記11章20-23節の記述について、この部分で言及されている「四足を持つもの」という表現は、翻訳や解釈の問題から生じた可能性があります。 レビ記の

太宰治と聖書【知的雑学トリビア・豆知識】

太宰の友人であった亀井勝一郎が 「『聖書』と太宰文学との関連を無視したならば、太宰文学の理解は不可能だと言っても過言ではあるまい」と言ったのはよく知られた話である。 また上智大学教授であった村松定孝は 「……私事にわたるけれども、私が戦前戦後を通じて接した太宰との十年間の交際において、彼を訪ねるたびごとにほとんど聖書の言葉を口にしなかったときはないくらい、つねにキリストをたたえつづけていた……」と告白している。 また太宰の側近であり弟子の一人である小山清は、 「太宰がその

桃太郎のおじいさんは山に芝刈りに…… 行ってない!【知的雑学トリビア・豆知識】

桃太郎のおじいさんは山に芝刈りに…… 行ってない! 『目玉焼きにかけるのは醤油かソースか論争』のように、昔から芝刈り派に対するバッシングは酷かったが、そんな不毛な争いは今日で終わりにしよう。 おじいさんは山で「*柴刈り」をしていたのだ。 *柴刈りとは、山野に自生する小さな雑木や枝を刈り取ること、または刈り取る人を指します。昔の人々は、かまどなどの燃料として柴を利用していたため、柴刈りは日々の生活に必要なエネルギーを得る手段のひとつでした。煮炊きや風呂などの燃料用に薪や炭

《基督教の愛》と《仏教の愛》は別もの【知的雑学トリビア・豆知識】

【愛・あい】仏教的には自分を中心にして相手への自分の執着を貫こうとする心持をいう。仏教では「愛」を必ずしもよいこととは見ていない。キリスト教が伝来したとき、キリシタンはキリストの愛を「愛」と訳さず、多く「ご大切」といった。[出典:岩波古語辞典] #雑学 #雑学メモ #豆知識 #今日の雑学 #学び #人文学 #教養 #トリビア #アシモフ

カトリックとプロテスタントの違い【知的雑学トリビア・豆知識】

カトリック:ローマ教皇と司教たちの教導権のもと全世界がひとつの組織として統合されている。全世界約13億人信徒全員がひとつの共同体に属している。 プロテスタント:約12億人のプロテスタント教派は、3万3000以上もある。(World Christian Encyclopedia) [出典:清涼飲料水/どろどろの聖書] #雑学 #雑学メモ #豆知識 #今日の雑学 #学び #人文学 #教養 #トリビア #アシモフ

13日の金曜日が不吉だとされるのは、テンプル騎士団が逮捕されたことにちなむ説【知的雑学トリビア・豆知識】

「13日の金曜日」が不吉とされる背景には、幾つかの要因が複雑に絡み合っています。ここでは、その主要な要因を探ってみましょう。 まず、「13」という数字そのものの不吉さです。 キリスト教において、13は縁起の悪い数字とされてきました。 『最後の晩餐』では、イエスと12人の弟子、計13人が食卓を囲みました。 この13人目が、裏切り者のユダであったため、13という数字が不吉とされたのです。 次に、金曜日の不吉さについてです。 キリスト教の伝統では、イエス・キリストが十字架にかけられ

先代旧事本紀大成経/先代舊事本紀大成經【知的雑学トリビア・豆知識】

先代旧事本紀大成経/先代舊事本紀大成經 聖徳太子によって編纂されたと伝えられる教典。 ★先代旧事本紀大成経事件 延宝7年(1679)、江戸の書店で『先代旧事本紀大成経』(七十二巻本)と呼ばれる書物が発見された。 この大成経の内容が公開されると大きな話題となり、学者や神職、僧侶の間で広く読まれるようになる。 大成経の内容は伊勢神宮別宮の伊雑宮(いざわのみや/いぞうぐう)の神職が主張していた、伊雑宮が日神を祀る社であり内宮・外宮は星神・月神を祀るものであるという説を裏づけるよ

地位財と非地位財【知的雑学トリビア・豆知識】

★地位財:他人との比較によって満足が得られる財(無くなったらオシマイ)   ⇒お金・社会的地位・高級ブランド品etc. ★非地位財:他人との比較なしで得られる財(長続きする)   ⇒健康・自由・知識・愛情・徳etc. 世の中には、他人と比較することで満足感を得る「地位財」と、比較に依存せずに満足感を得られる「非地位財」がある。 たとえば、地位財。これを持っているときの感覚は、まるで高級ブランドのバッグを肩にかけ、街を闊歩しているときの自信に似ている。誰もが羨む視線を感じ