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2021/09/13「店と公園」の夢

 雑多な食料品店で昼食を買おうとしていたとき、「これがホントに美味くて最近はいつもこれを食べてる」と、ご老人が主婦らしい誰かと話しているのを耳にする。
 イングリッシュマフィンに何か具材をのせ店内加工した甘い菓子パンで、自分もその場で一口囓ってみてなかなかうまいと思い、食材を買うのをやめてパンで昼食を済ませることにする。普段ならマフィン自体を買うのに。
 カルディコーヒーのようにごちゃごちゃした狭い店で、見覚えのある妻のハンドバッグが床に無造作に放り投げてあって非常に邪魔だった。店は昼食時でだんだん混んできて会計に時間がかかりそうだから早く買おうと焦る。
でも何か値引きされたものでもないかと探しているうちに、店がなかなか広いことに気づき始め、奥が本格的で高級そうなケーキ売り場のカウンターだった。
 けっこうな高級スーパー的なところかとまた店内を巡ると地下階段の入口に「meijiya」とあり地下が明治屋だとわかって「高級店だ」と納得、そのすぐ脇にガラス張りで隣の建物内のアールデコ調の超豪華な螺旋階段が見える。
 そこが最近家の近所に出来た高級デパート「○○○」であり、何階層も貫く吹き抜けがずっと下のほうまで続いているのを見る。
「ここに○○○ができたんだから、こんどの休日は妻とここへ見学に来ることにすればいい」と胸を躍らせる。

 店を出ようとした瞬間、ガラスの扉の前を「池バス」が横切るかと一瞬思ったら自走式の大砲のようなもので、それを行政の人がデモンストレーションで動かしているところであった。思い切りスピードを増した大砲が直進して銀行のガラスに一度砲身が激しくぶつかってまたそのまま道を走っていった。銀行のガラスはびくともしないので、行政側では丁寧に謝って済ませるのだろう。その衝突の跡を拳銃を使って壊そうとする乱暴な二人組がいる。ガラスを壊しかけたとき、駆けつけた二人組の警官がすぐに発砲、強盗たちはひとたまりもないというところだが、警官の一人となって撃つ自分。リボルバーに弾を込め直してまた撃ったりする自分の視点が混入する。

 雑多な食品売り場では洋服も売っていて、ハンガーラックに疎らにコートなどが並んでいるがどれも高そうな商品ばかり。客層も小金を持ってそうな人たち。
 白髪でがっちりした体躯の爺さんが白っぽい毛のコートを連れに着せてもらって、傍目にもだいぶよく似合うと思っていると、冗談のように店の前に出ていって、そのまま笑いながら走って逃げ去る。一家なのかと思っていたその場の数人がそれを見て喜んでいるので家族ではないのかと思う。そういえば浮浪者みたいな風体であくどい顔つきの老人だった。警察で自分がその人相を伝えることができるか考える。日焼けした顔、もみあげが立派で船乗りのような雰囲気で。
 直後にまた原付に乗ってコート姿の老人が店の前の道を戻ってきて、店内の一組から反響があるのを面白がり店の人の前で窃盗に気づかれていないかどうかを楽しんでいるよう。タチが悪い。店の脇の坂道を上って去る。
店の損害は五、六万くらいはあるだろうと見ていて非常に不快。

 公園にたどり着く。住宅街のなかにあり、人気はないが周囲の住宅から見張られているような圧迫を感じる変な公園。そのへんに傘を投げだしリュックを置いて、園内をしばらく巡ってみる。
 と、ビニール傘を拾いあげようとするが壊れていて近くに吐瀉物もあるので自分のでないと気づく。不安は的中し、別の場所にあった自分の傘らしきものもすでに壊されていた。リュックは跡形もない。
「そうかこの地域は治安が悪いのか! 損害は2万。うわー返してくれよ財布の1万は抜き取ってもいいから、パンと図書館の本と買った本数冊。図書館の本がなくなるのがすげー厄介だ。本当に嫌な一日じゃないかよ。どの家の奴なんだ。分かってたのにホントに治安が悪くて腹立つなあ」
 すると公園を目がけて子象が走ってくるのを見る。逃げるが子象が直角に曲がってきて、自分を目標に突っ込んできたので受けとめる。撫でるとその場でころんと横になり、「これが2万円分の体験になるんだなあ」と思ったところで目が覚めた。