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走り出す、耳をすませる、じっとしていない、手を振りあう、あれ?これもダンス!

6月5、12日と NPO法人いちかい子育てネット羽ばたきに招いてもらい、栃木県芳賀の市貝へダンスのワークショップをしに行った。
きっかけはこの羽ばたきにボランティアスタッフとして携わっている角尾さんで、普段は会場の近所で働きながら青学のワークショップの講座に通い、そこで同期として出会ったprecogの栗田さん(コネリングスタディという事業で以前一緒に仕事を僕としました)と知り合い、そこでダンサーの僕が子供とワークショップをしているということを聞いて、それで栗田さんが僕のことを紹介してくれて角尾さんから連絡がありました。
話していくと角尾さんはスペインのバルセロナに仕事で4年ほど赴任していた経験などもあり、そういう中でたとえば会社の中で商品開発をするにあたって"ワークショップ"の方法を取り入れたり、いかに社内に新しい風を吹かそうか奮闘中だそうです。
それで普段は子供たちに勉強の場を用意している羽ばたきで今回のようなワークショップを思いつき、羽ばたきの人と一緒に連絡をくれたようです。(1日目終わってフィードバックをもらったところ、誰よりも楽しんでくれていたみたいでとても嬉しかったし、企画者の人が喜んでくれるとやっぱり呼ばれた方としては改めてとても嬉しいものです)

ワークショップは使われなくなって羽ばたきが活動スペースとして活用している旧小学校の体育館で行われました。大体、宇都宮駅から車で45分くらい。
少しですがワークショップについても書いていきます。


1日目
今回のワークショップは募集した年齢層も大体小学三年生から中学生ということで広かったため中々内容を絞り込むことが難しかった。結果、1年生の子が入ったり、体調を崩してキャンセルする子もいたり、2週続けてやりながらもバラバラな人が集まった。
1日目のワークは手を叩く動作の"クラップ"ワークなどを行った。
クラップは拍手の時に手を叩いて空間に音を鳴らす動作でこれを丁寧に取り組むことで普段何気なくしている動作から少しずつダンスなどの集中する意識に慣れてもらおうと思った。
まず手を1人ずつ様々な強さで叩いて横の人に回していき、その中で自身の音が出来上がってきたら今度は1人ずつ空間に向けて叩いてその音を聞いて、また狙った場所を定めてそこに向けて鳴らして聞く人は対象を見つめて、といったような個人により空間へのアプローチとして始まっていき、段々とその一つずつの音を集団でやって複数のものからなるリズムとして回していくワークに移行し、身体と空間から、身体と音の集まる音楽、あるいはリズムを保ちながらもそこから逃れていく身体が動き出すことで音楽に動きを付随する動作を試していったりしました。
また集団で広い体育館の四隅に沿って様々なスピードで歩くことを通して、自分で歩く時の流れる景色を体感する時を調整していくようなことも試しました。

2日目
2日目は急遽中学生の参加者がほとんどいなくなったため、用意したワークが小学生低学年の子にはハマらないかもという不安を抱えつつも取り組んでいきました。
初日に掲げていたダンスをする時の外側に向けてやる体がやる部分と、体の内側で感じること、それぞれを感じれるワークを時間をかけて取り組む方針をもとに1日目以上に抽象的なワークをやっていく。人と握手、地面に触る、空気に触れる、床に寝転ぶ。これを2人1組みでやって見せてもらう。
体操を少し丁寧にやる。簡単だけど、手を繋いでしゃがんで立ち上がり、半周し半周戻る。合わせてやることで景色の変化を、自分たちで作り出しそれを感じること。
窓からも漏れる太陽に手をかざしたりして歩いたり。

歩くワーク。まずは全員で歩く、2人で歩く、全員でゆっくり歩く、目を瞑って歩く、そして最後に1人づつ歩いていくのを行った。ワークが終わるとすぐに遊具のもとへ駆け出していってしまうけど、粘り強くグループごとに歩くことをフィードバックし取り組んでもらった。すると少しずつそのことが理解されたのか歩くことがそれぞれの身体の集中で調整されていく様が目で見れるくらいにわかった。それは外側に向けて動くだけでなく、知覚に注意を向けることによって立ち上がっていった緊張感だったりしたと思う。

数人で合わせて歩くのがうまくなってきたのでまだあまり若年齢の人向けに試したことがなかったのだけど1人ずつ歩いてみるワークを試すことにした。1人で歩いてくる際に改めて"みんなで歩いた時のスピード"と"目を瞑って歩いた時の体感"を思い出してその2つを混ぜ合わせながら、また到着地点の方に観客として他の人たちに座ってもらい彼らの目線を感じる中でそれを行う、3つのタスクがかかった状態で改めて取り組んでもらった。
結果、とても美しい光景が生まれていた。周りの音がパフォーマンスを通してより鮮明に聞こえるものや、歩く時の体のディティールが浮き上がる人。みんな堂々と誰に見られていようと自分のことに集中している姿があって、見ていて嬉しくて胸がいっぱいだった。
また一方でそれを見ていた人たちもそれについてとても理解しているみたいで、終わるといい掛け声をし合っていたのが印象的だった。子供も大人も。

最後ほんの少し余った時間を使ってフジファブリックの"若者のすべて"をかけて振付をその場でついてきてもらうような形で踊った。

感想
今回のワークショップでは子供だけでなく同伴の親御さんにも参加してもらった。時間の都合上、ちょっとだけ参加の人もいたりしたし、ワークには少し参加しつつほとんどの時間を外から見つめそのことを絵にして最後提出してくれた方もいました。(「普段は絵を描いたりしないのだけど、、」ととても豊かな絵で内容が説明されていて参加者の方が空間を動き回ることでその親御さんをまるで体育館じゃないところまで持って行ったんだ!と驚きました)
子供だけでなく大人にこそワークショップを体験してもらいたいというのもあって、それで積極的に身を投げ出して参加してくれたのが嬉しかった。自分にもう少し余裕があればまたさらに対応が違かったかもしれないけど、それはこれからつけていく力だ。

両日ともに帰りに駅の近くで餃子を食べることが出来て満足です。
場所を用意してくださりワークにも積極的に自ら関わって子供も大人もムードメーカーとして盛り立ててくれた永島さん。そして呼んでくれて自らも楽しんでくれた角尾さん、参加者のみなさん。
改めてありがとうございました。

 Aokid

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