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とりあえず小さな視点から

メディアで時代を象徴するような何かが伝えられる時、大体は「特集」の形を持ちます。

複数のトピックをとりあげて、それらに「特集テーマ」として共通する言葉を与えて、わかりやすく伝えます。

それは、現在のビジネス関連だったら、例えば「CX」「エシカル」「サスティナブル」「ダイバーシティ」「DtoC」「ニューノーマル」「アフター○○」「ウィズ○○」とかとか。

ちょっと新しい、それらしい言葉を与えられたりして。「行き詰まった現状を打破する」「社会問題を解決する」みたいに言われてたりしますね。

。。。

何かを企画し作る人という立場からそういうのを聞くと、つい、こう思っちゃいます。

「○○(それらしい言葉)を導入すれば、突破口が見出せるのでは!?」

学生さんの課題なんかで、良くみるアプローチだったりしますし、僕たちも、そんな形で依頼を受けたことが何度かあります。

でも僕の経験上、これってスジが良くないやり方です。

社会問題やバズワードみたいな大きな視点からのアプローチだと、ほんとに有効な新しい発想に至るのは、ほぼ不可能。

なぜかっていうと
「問い」が漠然としすぎてるんですよね。

。。。

大きな視点の問題定義を起点にしちゃうとモヤっとしちゃうから。
個人は何に着手したら良いかわからなくなるし、チームはみんなバラバラになっちゃいます。

そして
大きな視点って、言い換えれば、誰もが知っている情報です。
誰もが知っている情報からダイレクトに独自性のあるアイデアを考えるって、なかなか難しいことです。

何か問題を発見するような、解決したり突破するような、ほんとに有効な新しい発想に至るには、実は具体的な現場(例えば自分の手元の暮らしとか)の小さな視点を起点にしたほうがスジが良いです。

なんでもいいんです。
足の小指をぶつけちゃうのが困るとか、そんなことでも良いと思うんです。

誰でもすぐ解決できちゃうじゃんって些細な事に、面倒くさがらずに向き合う。

淡々と小さな問題発見や解決を繰り返していると、不思議と大きな視点の問題にもアプローチし始めてて。

気がつけば他の人から「君がやっているのは○○(それらしい言葉)だね」なんて言ってもらえてます。きっと。



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ちょっと強引にまとめますけど、

解決を主軸におくならば、小さな視点が有効。
共感を主軸におくならば、大きな視点が有効。

そういうことかもしれなくて。

共感を優先したくなって、みんなが大きな視点の話ばっかりするようになると、誰も解決のための有効な手立てを生み出さなくなっちゃうかもしれません。

「作るときは、とりあえず小さな視点から
くらいに力を抜いてみるのも良いのではないかな、と思います。

大きな視点ってセンセーショナルで目を引くし、つい長い時間考えさせられちゃったりしますけど。

すごいアイデアを生み出すための、世界中の誰も知らないヒントは、自分の手元にしかないのかもしれません。

とりあえず小さな視点から始めましょ。



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