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ペース



絵を描いて描いて描いて
どんどん上手になってゆく
そんな人がいる中
ひと月に一枚仕上げるのが
やっとの子もいる

でももっと描かせようと
しなくていい
その子には
ちょうどいいペースなのだ
というのもぼくが
そんな生徒だったから

教室に入って
毎日描かされていたら
ある日急にできなくなって
逃げ出してしまった
ぼくにとって最適なのは
毎日ではなかったのだ

少し無理をさせて伸びる子
自由にやらせて伸びる子
いつまでやっても
伸びない子
たまにやって伸びる子
みんなそれぞれなのだ

それからまた描けるように
なるまでに七年を要した
描けるようになるまでが
自殺したくなるくらい
本当に苦しかった