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母との会話

ひとり暮らしをし始めてずいぶん経つ。
実家に暮らしていたころはあんなに「家を出たい」と思っていたのに、いざ家を出ると実家に帰りたいなと思うから不思議なものだ。

親とは決して不仲だったわけではないが、当時のわたしには、一緒に暮らしているからこそ「話せない」「話したくない」ことがたくさんあったようで。家を出て、たまに帰省したときのほうが、以前より、様々な話をするようになった。と思う。

先日、帰省した際、母が、ちょっとした手続きというか調整ごとをしているのを見て、そのやりとりにもどかしさを感じて、思わず「なんでこういう言い方をしないのさ」と言ってしまった。

そうしたら、母が、ちょっとむすっと、ふてくされながら、「●●ちゃん(母は三十路を越えた娘のことを未だにちゃん付けで呼ぶ)とはちがうもの。同じにはできないよ」というような返事をしてから、ふふっと懐かしそうに「昔、●●ちゃんが、こう言ってたんだよ」と付け加えた。

つまり、むかーしのわたしが、母から(おそらく片付けなどがうまくできなくて)「こうすればいいのに」と言われた際、「わたしはおかあさんとはちがうんだから、おなじにはできないもん」と宣った、らしい。

わたしは数十年越しのブーメランを食らったわけで。ぐぅの音もなく。


また実家に帰ろう。母といろんな話をしに。

ただし、一週間を超えるとケンカになるので、それ以内で。


※TOP画像は内容とまったく関係ありません。(PCに入ってたから……)

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