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人生初の同人誌を出してみた話

期限設けないと書けない人のための Advent Calendar 2022 15日目の記事です。思ってた以上に長くなって、ちょっと遅刻しちゃったけど許してください。

不肖わたくしめ、この年齢にしてついに「今年掲げた目標をちゃんと達成する」という人生初の偉業を達成いたしました。
その結果がこちら。

人生初同人誌……!
しかもジャンルは、Keyが一番好きな自分らしくヘブンバーンズレッド!
「自分でサークルを設立して同人誌を作る」という今年の目標は、無事達成されたのでした。その出来はともかく、やり遂げたことぐらいは自分を褒めてもいいでしょう。ぱちぱちぱち
というわけで今回の記事では「どうしてサークル活動をやろうと思ったのか」「実際にやった中での反省点」といった点について書きます。あと次出す予定の本についても最後ちょっとだけ触れます(先に言っておくと、次はKeyじゃないです)

サークル活動に至るまで

昔から二次創作やりたいなーって想いはずっとあったんですよね。簡単なSS程度なら書いたことありましたし。
けれども人間というのはきっかけがないと踏み切れない生き物で、やってみたいな~止まりでずっとここまで生きてきたんですよね。いや主語デカくしたけど自分が怠け癖あるだけだったわすみません数十億の皆様巻き込んでしまって
そんな感じで長い間生きてきたんですが、去年転機となる出来事がありまして、それがKey最新作のサマポケとの出会いでした。サマポケはリトバス以来最もハマったKey作品でしたし、この作品に関しては二次創作やってみたい!!って気持ちが爆発しました。
そして縁あって、去年9月は鴎アンソロに参加して自分の作品が同人誌に載る人生初の経験をしました。

たくさん素敵な話が載っている一冊なので、サマポケプレイヤーの方は良かったらチェックしてみてください。

あとは去年からTRPG始めたのも大きいですね。キャラクターを作るという行為を経験して、創作の喜びを感じられましたし自己肯定感がどんどん高まっていきました。来年は一次創作も何かしらの形でやってみたいですね。

そういったイベントが去年あって、「自分で作った、自分の話だけが載っている個人同人誌を出してみたい」という気持ちがどんどん芽生えてきて、そうして今年実行できて今に至ります。

ただ、実行するまでも結構迷いましたが。
2月にヘブバンが始まって、大好きなライターが久しぶりに書くゲームシナリオは想像以上のもので。これからの日常の一部になっていくこんな最高のコンテンツに、人生初の同人誌を捧げたい。蒼井えりかという大好きなキャラに出会えたので、こういった話を書いて彼女への愛を本という形にしてみたい!とやる気満々にプロット自体はサービス開始から2ヶ月ぐらいで完成したのですが。
鍵オンリーイベントの締め切りが近づく数ヶ月後。同時にやってた他ジャンルアンソロの原稿が思ってた以上に進まず、こんな状態でちゃんとヘブバンでも本を完成させられるのかな……ってすごい不安になったんですよね。締め切りまで一ヶ月ちょっとで大人数大ボリュームの話を書けるのかは怪しいところでしたし。
そんな感じでなかなか踏み出せない状態でしたが、今年はそんな自分の背中を押してくれる二つの作品と出会うことができて、最終的にやってみるしかない!と思い切って前に進むことができました。相変わらず作品に影響されまくり。せっかくだからここを深掘りしますか。

背中を押してくれた作品のうち、一つは美術漫画『ブルーピリオド』。

元々気になっていた漫画だったんですが、TRPGで絵を描くキャラを作ることになって参考になりそうなので読んでみたらドハマリしました。詳しくは今年の振り返り記事に書きますが、自分の人生において2022年を象徴する作品の一つと言っても過言ではないです。マジで。
美大の受験に向けて絵を描く人たちの青春群像劇なんですけど、登場する彼らと同じように好きなものに対して打ち込む自分にとっては感じ取るものが非常に多い作品で……取り扱ってるテーマも様々で、CLANNADのネットスラングじゃないけどまさに人生と言って良い作品だと思ってます。
他の人より上手くなんてできないし、自信なんてないけど、自分の色は自分にしか出せないもの。こういった作品から感じ取ったメッセージのおかげで今があります。
自分って好きなものへの熱意だけで生きていて、結構そこを褒められることがあって有り難いんですが。自分ではそこが長所だとあんまり思えなくて。ぶっちゃけそうしていないと、生きている実感を得られないから自然とそうなってるだけなんですよね。根本的に異常者な自覚がある。でも、だからこそ、この溢れ出る熱意を一つの二次創作にぶつけてみれば、拙い文章でも自分だけにしか書けないような作品が生まれるのではないか。少しは、こんな何もない自分を認められるのではないか。そういった想いを抱かせてくれたのが、ブルーピリオドでした。
主人公の八虎は美術以外もなんでもできるすごい人なので自分みたいな人間とは大違いではあるけども、好きなことに対する向き合い方というか精神性は凄い共感できるところがあって。そういった部分がこの作品をここまで気に入ってる理由なのかもしれないですね。

原稿のやる気出したい時は、群青聞きながらこの漫画を読んでました。めちゃくちゃ効くのでオススメです。群青、昔から知ってたけど元ネタを知ると6巻までの全て詰まっていて信じられないぐらいいい曲すぎてびっくりした。今年フィナーレ。と並んで一番聴いた曲。
創作をする人でもそうでなくとも、読めばきっと心に何かを残してくれる本当に素晴らしい漫画なので、ぜひ読んでみてください。好きなものに打ち込んでる人には特に読んでほしい。とりあえず6巻まで読めばどんな作品か分かる。
ちなみにサークル名の「ブルーモールド」っていうのは、HN青カビの英語訳"Blue mold"から取りましたが、実はブルーピリオドに響きが近いというのもあって名付けました。5分で考えたんですけど、思ってたより響きが良くて気に入ってます。ペンネームを被らない名前だからって「蒼かびび」にしたのは今でも後悔してますけど。利便性考えて変えないけどさ、もうちょっとまともな名前なかったんか?語感悪すぎ。


もう背中を押してくれたのは一つの作品は虹ヶ咲です。2年前から触れてるコンテンツではありますが、今年春に放送してた二期は視聴者の夢を応援してくれるメッセージ性強めのお話で。自分の中に新しく生まれた夢を追いかけなきゃな、って強く感じさせてくれました。たくさんのものを日々もらっている大好きなコンテンツなので、いつか恩返しといってはなんですが一本ぐらい書きたいなと思っています。構想は一応あるので……
イベント申込みギリギリになって「本を作るとなると印刷所がどうとか諸々事務手続きとか色々面倒くさいだろうし、締め切りに追われる日々が続くだろうし、どうしようかなぁ……」って極度の面倒くさがりが発動してたんですが、この一言を思い出せたおかげでようやく踏み切ることができたんですよね。

虹ヶ咲で一番好きなセリフかもしれない

この一言がなかったら、冗談抜きでサークル活動していなかったので本当に感謝しています、優木せつ菜さんには。
こういった経緯があったので、あんな後書きになっちゃったんです。すみません徹夜明けのテンションだったんで許してください名前出さなかったのがせめてもの理性です。どんな後書きか気になる人はヘブバン2章までやって本買ってください(宣伝モンスター)


こういった素晴らしい作品たちのおかげで、ようやく本を出そう!と踏み切ることができました。
というわけで次は本を作る上での振り返りです。

ヘブバン本を作る上の反省点振り返り

11月中旬のエアイベントに参加申し込みしたのが、9月中旬でした。
そこから一週間後に以前お世話になった方にご助言いただいてようやく印刷所を決めたのですが、さっさと動けば良かったです。原稿の締め切りを日付で確認したら実質一ヶ月程度しかなくて焦りまくった。
まあ、怠惰すぎて結局ちゃんと動き始めたのは締め切り2週間前ぐらいになったんですけど……

今回のヘブバン本なんですが、やりたいことが多すぎて、どう考えても初同人誌でやる規模じゃなかったんですよね。正直反省点しかなかったと思っています。
二次創作ではありますが、実際作品作りを経験してみると、いかに物語を書くことが難しいのかよくわかって勉強になりました。シナリオライターって魔法使いだ。

架空水着イベを想定したお祭り話だったので、ABCG部隊の計24人も出さなければいけない。ソシャゲという媒体もあって、全員分のテキストを再確認してキャラクターをとりあえずセリフ書けるレベルまで落とし込むのがさあ大変。呼称の確認も地獄みたいな作業だったし、ヘブバンのテンポに近づけるために地の文を減らすことを意識したら情景描写が足らなすぎたし……地の文の塩梅が書いてて分かんなくなっちゃって、一部に絶対いらない描写が混じっちゃったのでそこは大きな反省点です。いちいち方角とか場所とか詳しく書かなくていいだろどうでもいいやんそんなとこ。文章恥ずかしすぎて迂闊に読み返せない……
やりたい日常エピソードが増えすぎて、三万字で終わると思ったら、結果的に五万字まで膨れ上がってしまって予想以上に執筆に時間がかかったのも苦労しましたね。見積もりが甘すぎる。推敲を繰り返したせいで全文完成したのは締め切りの前日でした。アホすぎる次は余裕持って動きます(無理そう……)

あと架空水着イベというコンセプト上、全員が着る水着を考えるハメになったんですが何着せればいいか分からなすぎてめちゃくちゃ苦労しました。別に漫画やイラストじゃなくて小説だから書かなくても良かったんですけど、ギャルゲブランドのゲームである以上そこはちゃんとやるべきだと思ったので。何の意地だろう。
ブラウザの履歴が水着で埋まってしまってしばらく広告が水着関連ばかりになったのが懐かしい。自分でも正解が分からず結果マジでセンスがない感じになってしまった(と思ってる)のでもっとちゃんと勉強しなきゃ。あ、でもアーさんにあの水着を着せたのは自分でも気に入ってます。あんなものにしてごめんね。

一番の反省点は、Wordの扱いで苦労して入稿締め切り一時間前までもつれ込んだことでしょうか。まさかあんなに大変だとは思わなかった……
ネット上のテンプレートをお借りしたのですぐできるかと思いきや、デザイン修正やフォント変更など思ってた以上にやることが多かったです。章と章の間のページ番号が消えてしまってしまったし、後書きはテンプレートそのままにしたら思いっきりズレてたし。そして時間が足りず、これらのミスに気づきながらも入稿せざるを得なかった。めちゃくちゃ不出来な本で本当に申し訳ないです。なので大赤字覚悟で152Pでありながらお詫びの気持ちも込めてイベント価格500円で売ったんですけど……
おかげで本文チェックの時間も足りなかったので、不自然な文章がサンプルにすら残ってる始末で……何度も読み返したはずの文章なのになんで入稿してから気づくんですかね?反省点しかねえなマジで。五万字もあるなら校正と推敲はスケジュール上一週間は確保しておくべきだったし実際その予定だったんですけど……この点に関しては自分の怠惰さが全て悪い。
表紙データについては、イラストを書いてくれた友人にお任せしたのですがこちらの伝達ミスで印刷がちゃんとできるか怪しい状態で入稿に。印刷所様にわざわざ締め切り後にこれ大丈夫ですか?って確認をいただけたのですがどうにもできず……結果的には何も問題なかったので良かったのですが。友人にも印刷所にも迷惑かけてしまって申し訳ない。
あともう一つ反省点があって。たった一箇所だけルビを振る予定だったんですけど(Day2冒頭の辛い"何か"の部分にとある三文字を振りたかった)、Wordのルビ機能を使っても上手く表示されず、改善する時間もなかった。ここは表現に直結する部分なので深く反省。

こうして振り返ってみると、納得いかないことばかりですね。イラストを書いて表紙デザインをしてくれた友人や本作りに関わってくれた全ての人たちに申し訳ないと今でも思っています。仮に第二版を刷る機会ができたらミスを全部直して出そう……

ただ、全部が納得いかなかったわけじゃないです。
お話自体は自分でも気に入ってます。Day2以降の終盤に関しては自分でも良く書けたと思ってます。ここを書くための話だから一番最初に書いたし推敲数え切れないほどしたし……
自分で描いたわけじゃないけど、表紙は最高ですね。表情のオーダーは特にしていないのに、本文投げただけでぴったりなものが飛んできた。二人ともかわいい。描いてくれて本当にありがとう。なんだかんだ結構売れてるんですけど、9割表紙のおかげだと思ってます。
そして何より、不出来な点は多々あれど締め切りにちゃんと間に合って、エアイベントで本を売って現在委託中というところまで事務作業をきっちりできたところは良かったです。そこだけは自分を心の底から褒められる。ちゃんとやり遂げることって、難しいですからね。

振り返りとしてはこんなものでしょうか。
とても大変だったし、納得全然できてないし、結局今でも自分を認められてはいませんが。全部終わった今、やってみて良かったと断言できます。ヘブバンへの理解度がより深まったし、なんだかんだ楽しかったし、よりセラフ部隊のみんなのことが好きになれたし。
あと、自分と深く向き合うきっかけにもなりました。まさかここまで自信がないと思わなかった。ブログに書いてる感想なら大したことないんですけど、小説文となると自分の文章が本当に恐ろしくて振り返れないんですよね。まあ自信がないからこそ、反省して次に繋げることができるってポジティブに考えていきますか……それはそうとして過去作とはちゃんと向き合っていきたいけど……
そんなこんなで楽しさ半分苦しさ半分って結果ではありますが、友人たちから購入報告を受けたり感想をもらったりすると、物凄い救われた気持ちになるし、苦労した甲斐があったと思えますね。本を作った理由は自分のためというのが大きいけれど、読む人に少しでも楽しんでほしいという気持ちが当然あったし。
だから、まだまだ同人活動やります。感想や語りといったブログ記事を書くのが趣味で、「感想も創作の一つ」って昔TLに流れてきた言葉に救われ続けてるし、そちらも同じぐらい大事な自己表現ではあるけど。当然二次創作でしかできない表現もあるので。両方やります!
ヘブバンでもいつかまた本出します!まぁ、今は書きたい話がないんですけど。良いプロットが浮かんだらやります。ソシャゲだし長く続くコンテンツだからそのうちネタ浮かぶでしょう。
Keyなら、終のステラのジュードとフィリアの本は出してみたいですね。他にやりたいことがあるので今は難しいですがそのうちできたら……
たくさん小説書いて腕を上げて、サマポケの自カプの本を出すのが最終目標です。そこにたどり着くまで経験を積みたい。ネタバレ成人女性同士のカップリングの本なんて自分しか出さないだろうと思っているので、なんとしてもやりたい気持ちがある。アニメ化で新情報来ないとできる気しないけど


最後に、この流れでなんですが、一つだけワガママを言わせてください。拙作を読んでいただいた神様のような方がもしこの文章も読んでいたら、よろしければマシュマロで感想ください。悪かったところだけでも全然いいので、実際どう思ったのか本当に知りたい……実は友人でも一人にしか感想はもらってないので……

今後について

次は夏に本出したいなーと計画中です。というかヘブバン同人誌出す前から計画してました。早すぎんだろ完成させてから考えろ
色んな時系列で書きたい話をありったけ詰め込んだSS集の予定で、また変わるかもしれないけどもう本のタイトルは決めてます。
来年から収録予定の話を渋に上げていきたいです。数本書いたけど、この二人のテンションはこれで良いのか自分で納得がいかなくてなかなか上げられず……自信という壁を乗り越えたい。
え?ジャンル?
夏ですよ?夏。時間にまつわるトンネルが出てくるボーイミーツガール映画の季節です。その頃には流石に配信始まってますよね?
登場人物実質二人だけだし、参照するべき原作が本編83分と特典小説だけだから本当にやりやすい。あと原作小説とコミカライズを参照にちょくちょく読むぐらい。天国?
今回の反省点を踏まえて、次こそは納得できるものを出したいです。魂込めます。大袈裟かもしれないけど、自分が生きた証として残せるものにしたい。
味気ないふたりの幸せを自分なりに精一杯表現したいと思っているので、もし読んでみたいと思ってくださる方がいたら、8ヶ月後のことになりますが頭の片隅にでもこのことを留めておいてくれると幸いです。
多分この文章を読んでいる方の9割ぐらいは夏トンという作品のことを知らないと思いますが、本の告知をする頃には配信始まってると思うので見てみてください。詳しくは土曜日の記事に書きますけど、自分にとっては人生最高の映画なので。


もう一つだけ、最後に宣伝。話に出ていた「他ジャンルアンソロ」はミリオンライブのもので、C101/BOOTHで販売されるようなので、よろしければチェックしてみてください。8000字程度の小説で、これに関しては珍しく面白いものが書けたんじゃないかなと思える出来だし、ガチガチに校正していただいたので最低限読める文章になってます。運営の方々に感謝。

なんか最初から最後まで、宣伝まみれの文章になってしまった。まあいつものことでしょう……

二次創作、やってみると本当に大変だけど、やり甲斐はあります。創作じゃなくても感想でも良いです。
作品への愛を形にしてみると、感じたものを自分の中に落とし込める感覚があって、新しい発見があると思います。オススメです!

では、ここまで読んでいただいてありがとうございました!

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