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製薬業界変革の兆し、そして、立ちはだかる壁 ~ユビー医療プラットフォーム戦略 製薬事業の展望~

はじめまして。Ubie(ユビー)株式会社の製薬事業、 Ubie Pharma Consulting(UPC) にて代表/Directorを務めている岡アキラと申します。
2019年にユビーに入社し、これまで製薬事業のいわゆる“ゼロイチ”から“グロース”の入り口までやってきました。本格的な“グロース”に向けて社内組織 UPC を立ち上げ事業化をリードしています。

ユビーの製薬事業は、ユビーがこれまで一心不乱に開発し育んできた革新的な生活者・患者向け/医療機関向けプラットフォームを、より医療アウトカムに貢献できる“医療プラットフォーム”へと進化させるべく、実際に製薬企業さまとの協業を企画し事業化を推進する部門です。

この note では、ユビーの製薬事業が業界にどのようなインパクトを与えてきたか、これからどうするのか、そのために突破しなければならない課題についてお話します。

この記事をぜひ読んでいただきたい方

・ユビー製薬事業 Ubie Pharma Consulting への転職を検討中の方
・スタートアップ転職に興味のある方
・ユビーと協業を検討している製薬企業の方

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ユビーが実現したい世界と製薬事業の位置づけ


ユビーのビジョンは、“Hello, healthy world”。健康が当たり前の世界を創ることを目指している会社です。その第一歩として「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ことを目下ミッションと掲げております。

この背景にある熱い想いは創業者の阿部・久保と直に会って感じていただきたいです。実際に会うことは叶わずとも、彼らの note からもひしひしと伝わってきますのでぜひご覧ください。

そんなユビーでは、先日、世界的に金融市場が混乱する中で多くの投資家のみなさまから手厚いご支援をいただき、Series C 1st close 時点で 35億円の資金を調達できました。

今回調達した資本の最大の投資先は、製薬事業です。

これは、まさにユビーが創業より掲げるミッション「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ことを実現するためです。

生活者・患者向けプラットフォーム「症状検索エンジン ユビー」では、生活者・患者ユーザーが症状から適切な受診先検討ができる支援をしています。いまでは実に 500万人のユーザーが毎月利用しています。ありがたいことに毎日のように「おかげで助かった。使って良かった。」とユーザーからお声が届きます。まだまだ開発したい機能が山のようにありますが、よいプロダクトを提供できていることを誇らしく思います。( ubie.app から無料でお使いいただけます。)

しかし、果たして「適切な医療に案内」できているか。症状の発症から受診、検査、診断、治療開始、…とユーザーが「適切な医療」に巡り合い、より健康な状態を得るためにはまだまだ支援できることがありそうです。

これを製薬企業との協業により解決するのが、ユビーの製薬事業です。

ユビー製薬事業の軌跡


ユビーの製薬事業は難産でした。

まず、私が入社した2019年後半から約1年間、多くの製薬企業さまを訪問させていただき、プロダクト仮説に対してお金を払っていただいて実証実験をしていただけるか、ひたすら営業です。当時は、「いいねえ~開発でこんなのできる?」とご相談いただくも実現が難しかったことを思い出します。我々のプラットフォームにユーザーがさほどおらず、プラットフォームを活用する魅力に乏しかったためです。

しかし、製薬企業さまから「ユビーの目指している世界観はとても好きだ。何か力になれるなら……」と多くの助言もいただきました。いただいたフィードバックを基に、エンジニアと膝を突き合わせてプロダクト仮説を研鑽する日々。

ついに2021年前半に事業の種となるようなプロジェクトを製薬企業さまと開始できることとなりました。製薬企業さまへの価値提供は、すなわち、より多くの生活者・患者さんを「適切な医療」に導くこと。我々のプロダクトが生活者・患者さんを本当に救う一助を担えるのか、そしてそれを証明できるのか。人の命に係わる仕事ですし、実証実験とはいえお金をいただいていますから、成果創出が果たせなかったらどうしようかと非常に緊張したことを覚えています。成果がでない可能性を消すために社内の色々な人を巻き込んで、連日議論したり、プロダクトを改修してもらったりして、どうにかビジネスが成立するレベルまで成果を引き上げることに成功しました。

たった一例であっても成果が出ている事例は、製薬企業さまにとって協業に踏み切るに足る判断材料になりました。製薬企業さまからお声掛けをいただくことも増え2021年後半には innovator たる先鋭的な製薬企業さまといくつか本格的な協業を開始することができました。

ユビー製薬事業の幕開けです。

そして、1年弱が経過する間に取引社数もプロジェクト数も順調に拡大し、Product Market Fit (PMF) を確信したところで本格的な事業化に踏み切りました。

これまで実施してきた製薬企業さまとのプロジェクトの中では、10年以上も同じ症状に苦しむ患者さんがとある難病であることに気づきを与え無事に治療を開始できた例があったり、医療に対してプラスの貢献ができていることを実感しています。

契約上ご共有できないのが残念でなりませんが、この他にも多くの患者さんを救う素晴らしいプロジェクトを次々と社会実装しています。

ユビー製薬事業の課題

これまでお話した内容からは、製薬企業さまとの協業は一見順調そうに思えるかもしれません。しかし、我々の目指すところである「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」ことにはまだ大きな隔たりがあると感じています。

スタートアップあるあるですが、メンバーが足りていません。

より良い医療体験を企画検討することに十分な時間を割けない場合には、営業機会に応じておらず、もっとメンバーがいれば本当ならもっと多くの患者さんを救えるのに……と歯痒い思いをしています。

これは製薬業界の人々からすると至極当然ではありますが、疾患毎や医薬品毎に課題が全くことなります。なので、ソリューションの定型化が難しく、企画に頭を悩ませます。

そして、もちろん、まだまだプロダクトとしての研鑽が必要です。我々の持てるテクノロジーのすべてを尽くして医療体験を創造できているか、というと、まだ企画だけが先行する場面も多くあります。結果として、本質的にもつプロダクトの価値を100%発揮しきれていないように感じることもあります。

こうした壁に直面し、戦略と戦術、そして、約20人のチームワークでなんとか乗り切っているのが現状です。

そして、これから先で直面することが明らかな課題は、50人・100人とメンバーが増える中で、マネジメントの仕組みをアップデートすることです。

いまは手前味噌ながら、名だたる事業会社のトップ営業マン、コンサルティングファームのパートナーやエース人材と、とても優秀な人々が集っていると感じています。チームワークでお互い不足するケイパビリティを補い合いながらも、個々人が自律的能動的に動ける前提の組織設計になっています。

エース級の人材は他の会社からしても絶対に手放したくない人材です。採用する難易度が極めて高い。それでも、まだしばらくは現状の組織体制を維持する想定で採用は厳選に厳選を重ねて、一切の妥協を許さないようにしていくつもりです。ただし、順調に事業成長すれば、組織の大規模化は必然。それはつまり、マネジメントや教育の仕組みを見直していく必要があるということです。まさに、組織づくり。組織の立ち上げとは違った大変さ、面白さがあると、今からひやひやドキドキしています。

ユビー製薬事業の展望


これまでにない医療体験の創出へ。一人ひとりの患者さんに、これが Best of Best と言えるような医療体験を創出していきたい。

例えば、希少疾患の患者さんは、その疾患の希少さ故に発見が遅れることがしばしばあります。これを如何に早いタイミングで早期発見・早期治療開始へ導くか。

想像してみてください。40代女性、半年くらい背中が痛くて、そしてたまに熱がでるな・・・・と思っている。こんなとき彼女は、更年期かなあ、と思うわけです。しかし、実は、血液内科専門医ならすぐに気が付きます。これは血液がんかもしれない、と。

本当は背中の痛みが出たそのタイミングで「ユビー」を使っていただきたい。そして、血液内科専門医に出会い、良い治療に巡り会ってほしい。

でも、このお話の彼女(※あくまで想像上の人物です)は、現状ではあまり我々のユーザー層にはいらっしゃいません。こうした方々にこも適切な医療をご案内できるようにしていきたいと考えています。

そして、世界編へ。製薬業界はグローバルです。最終的な意思決定もグローバルのボードメンバーが担っています。世界中の人々に我々のサービスを届けるために、彼らのエンドースメントを得ることは事業拡大上必須です。いくつかの製薬企業ではグローバルエグゼクティブと実際に対話できており日本での事例にポジティブな フィードバックをいただいていますが、まだ “One of them” の認識。これをひっくり返す、まさに世界を仰天させるような仕掛けが必要です。

日本の患者を救い、世界の患者を救う。これまでにない医療体験創出とグローバル化に本気で取り組み始めています。

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最後に


助けてください。

本当はもっと患者さんを救えるのに。
もっと良い医療体験を創造できるはずなのに。

事業を拡大するためのメンバーが足りていません。
世界を獲れる機会があるのに。

これから組織を拡大していく中で、組織づくりのケイパビリティが足りていません。もっと良い組織を創れるはずなのに。

もしあなたがより大きな社会貢献を求めるのなら、
もしあなたがより魅力的なチームを求めるのなら、

ここにまたとない機会をご用意してお待ちしております。

我々は今まさに、製薬業界の歴史に名を刻む仕事をしています。一緒に世界中の患者さんを救いましょう。


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