個人の思想

個人の生きる意味というのは世間体から見ると実につまらないものである。つまらない。しかしそれを言われるのが嫌だからといって、無理に自分をつくり、その無理をした自分の生きる意味さえを見つけ出そうとする馬鹿がいる。そいつあ馬鹿だ。自分ほど尊いものに気づいていない。

世間が求む生きる意味というものを考えるのは時間の無駄である。また考えたところで個人にとって害である。

個人の無駄は世間の害であるものもある。害というものはなにかね。世間というものは個人の思想によって成り立っている。世間とは案外無駄という大黒柱にしゃんとしている。

また世間というものは人達の個人の生きる意味によって成り立っている。世間が求む生きる意味をそれぞれが求めたら、無駄のない世間が出来上がる。月はクレーターがなければ、太陽からの反射の光を地球に送り届けることが出来ない。

いわんや生きる意味というものは世間にとって無駄であっても良い。それが個人の無駄でないのならば、である。個人の思想というのはこれを正すためにある。