「黄山雨過」(五)(連載小説)
バスから降りたらずっしりカバンが私の肩に乗っかって、邪魔臭かった。しかも夏であったから汗も滝の様で、さらには顔もひりひりしていたからバスに降りただけで私の臓腑は既に煮えたぎっていた。どうせろくなものにはならないと、諦めてさえいた。しかし私のその期待はすぐに裏切られた。六人部屋出会った気がする。重い足取りと煮えたぎった臓腑と諦めでその私の部屋であるイチマルイチゴウシツを見た途端私は跳ね上がりそうにまでなった。部屋が薄暗かったのは既に分かっていたことだが、二段ベットだったのは嬉し