ある一日
小鳥のさえずりが聞こえて目が覚める。
6:20にセットしてあるスマホのアラーム音が「小鳥のさえずり」なのだが、外からも本物の鳥の声が聞こえてくる。
半分まだ寝ながら、となりの布団の中にいる夫の気配をうかがう。夫の動きが重そうなら、私が率先して起きて朝の準備をすることもやぶさかではない。が、夫がさっと起きると、甘えが発動して私はまだしばらくそのまま寝る。
今朝は夫が軽やかに起きたのをいいことに、夫が台所で朝ごはんのおにぎりを作ったりしている音を聞きながら布団に留まる。
冬に率先して布団から出るなんて、私の夫は本当に偉大だと思う。毎日感動し、尊敬する。
ねえママー、知ってる?
息子はいつも唐突にそう話しかけてくる。
「ねえママー、つうたんかめんって知ってる?」
ストーブの前に陣取って着替えながら、息子が言った。
「痛嘆仮面?何それ?」
「えー、知らないの。有名なエジプトの王様でしょ」
「ああ、ツタンカーメン」
「そう、それ」
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