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即興バンド「新宿合流」コンセプト

①当バンドの定義
「新宿合流」は、ギター・ドラム・キーボードの即興演奏の中でライブペイントを行うというバンドです。
ライブペイントは一つの軸として、また平等な楽器として機能し音と絵の融合を場にもたらします。

新宿のスタジオで初セッションをしたことと、「合奏」「音と絵の合流」のダブルミーニングでこのバンド名になっています。

②我々の存在意義
コロナ禍の猛威は、ライブハウスでのパフォーマンスという在り方に脅威を与えました。
同時にYoutubeやTikTok、Twitch等の配信でのライブも定常化しています。

こういった洗礼と変化を受けた今、「生で演奏すること」の意味は改めて問われることになったと考えています。
コロナ最盛期の「生演奏への飢え」を通過した私達は、”生演奏”の意味を改めて問われているのではないでしょうか?

その問に対する私達の答えは「生演奏による即興」。
再現不可能性・ハプニング性に重きを置いて演奏することが、”生演奏”の本質を最も捉えていると考えました。
そして、そこにライブペインティングという要素を加えることが、上記の要素に今までにない新しい可能性を付与すると思います。

③音楽性について
以前もあおいうには絵と音楽のバンドをやっていましたが、そこから更にレベルアップされたものをご提供します。
以前はノイジーで実験的な現代音楽で、来場者を置いてきぼりにすることが多々ありました。

しかし今回はもっとデザイン的に分かりやすい曲調になっています。とはいえ、音楽性・芸術性を損なうことはありません。
ポップで軽やかな演奏が得意なメンバーに刷新したことにより、強度のある即興演奏になっています。

④「ライブペイント」を取り入れる意義について
ライブペイントと音楽の融合は、異なる文化の層を融合させるという意義を持ちます。
普段は音楽を聴かない人や、ギャラリーにいる層をライブハウスへ動員し、そこから音楽に対する理解を深めることが出来ます。
そして逆もしかりです。

その文化融合性が持つ意義は波及的に様々な可能性を拡張すると考えます。
例えばバンド活動を個展として再構成して、普段ギャラリーに行かない層が美術に関心を持つこと。
「音楽を中枢に置いた展示」という新しい形式を通じて音楽愛好者がギャラリーに集うなど。

絵と音楽が出会うとどうなるか。それ自体が実験行為としての可能性を持ち、その証人に私たちはなり得るのです。

⑤ライブペインティングについて
また、あおいうにはここ最近アナログから離れデジタルの探求をしていました。
今回はそこで学んだ特有のレイヤー感覚を、アナログにも還流し、より空間性を磨いた絵画に変わっています。

画材も絵の具からオイルパステルや色鉛筆、デジタルに変えることで、場所を必ずしも汚さなくなりました。
そのことは、他の演奏楽器との調和を保つことや、箱自体の制限をクリアすることにも繋がります。

今まで離れがたく絵と融合していた、「詩」がなくなったのも特に大きな変化です。
言葉という強いイメージにひっぱられずに、抽象的な音のイメージを抽象画へと変換するほうが伸び伸び描けます。

⑥最後に〜バンドの目指すところ〜
楽器と絵と即興の融合は、今までの表現空間の大きな拡張性を企図しています。
それは観衆とのより深い融合をも意味します。
秩序と即興、音と絵という相反するものの相乗効果は、のみならず表現者と観衆との融合をその延長線上に生み出します。
感性豊かで風景が思い浮かぶような、現象的な音の残像を「共に即興」できたらと思います。

ライブできる箱は随時募集中です。路上ライブも新宿を中心にやっていこうと思います。


文責 あおいうに
推敲 フルヤアツシ

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