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受験デッサンで個性は失われるか
「美術予備校に行ったり、美大受験すると “個性”が損なわれる。」
という言説をよく耳にします。
私の答えは、“NO”です。
その理由をお話したいと思います。
そもそも「個性」とは何か。
言い換えると、「個別性」。
「個別性」は誰にでも備わっているものです。
なので、そもそもが殊更強調するようなものではありません
なので、美大受験的にガチガチに基礎デッサンを固めると「個性」が無くなってしまうなどということはありません。
そして「奇抜さ」「無垢さ」と「個性」は全く異なるものです。
訓練や教育によって汚染されない生身の表現が至高の「個性」であるかのような言説は間違っています。
むしろ、基本的で画一的な修練によって「個性」はより際立って可視化されると言えます。
自分を殺しても殺してもどうしても滲み出てきてしまう「自分にしかないもの」。
そこに残る「何か」。
それが誰しもに必ずあります。
そういった意味で「基礎的な鍛錬によって濾過された絵」は、「野放しの奇抜な絵」より高い価値を持っているし、
「個性」は美大受験的な訓練によって、よりその本質を露わにすることが出来るのです。
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