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「群れる」__「少女、空を行くがごとき」に寄せて

「群れる」 
あおいうに(現代アーティスト・画家)


今回、グループ展主催のおおましょうさんに与えられたメインテーマが「少女」ということで、私なりに少女とは何かを考えてみました。

第一に思ったのが、少女は「群れる」ことです。
トイレに行くだけでも女友達と一緒ですし、アイドルグループなんかもそうです。「群れ」という感じ。動物的本能なのかもしれません。人と集まるのが好きなのが、少女性の特徴の一つであると思いました。
そこで少女を連想させるふわふわのぬいぐるみ、アイドルチェキ、少女を描いた絵画作品、少女を模したドールなどを構成してインスタレーションをしてみました。

また、裏テーマは「ポストコロナ以降のアート界隈」です。
コロナ禍はアートバブルと呼ばれるほど現代アートの展示会が乱立され、人気作家は軒並み抽選販売となりました。
かくいう私も、完売とまではいかなくても100万以上売り上げた月もありました。
しかし、お祭りはいつか終わりがきます。
アートバブルはコロナ禍の終焉と共にはじけ、崩壊しました。
今まで売れていた作家も思うようには売れなくなり。
アート界は氷河期に入ったのです。
今私にできることと言えば、変わらずマイペースに制作し発表することぐらいでしょう。
ポストコロナにおいて、急激に人々は密集(三密の一つ)し始めました。
もう、アートには構っていられない、と言わんばかりに。

群集するぬいぐるみやドール。これらは普段は可愛いものですが、たくさん集まると多少の恐怖感を覚えます。
このぬいぐるみたちは、群れる少女たち、そしてポストコロナで密集する人々を写し出す鏡なのです。

可愛いようで怖さが消えない絵画の集合体、密集するぬいぐるみたち、無表情なドール、乱立するチェキ、全てがびっしりしていて複雑に関わりあい、呼応しています。
そのちょっとした違和感を感じ取ってもらえたらと思います。




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