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夫は家の中でカニ歩きをしています10 ー「普通」って何?

<このシリーズでは、強迫性障害のリアルを一人でも多くの方に知ってもらうべく、夫との日々について語っています。過去記事をお読みでない方は連載スタートの記事から読んでいただけるととっても嬉しいです。>

ここからは、万年パンデミックな夫とその夫と過ごす私からの視点を書いていきますね。

この世界で「普通」を貫く方法がわからない

何が難しいって、世界が普通じゃないときに、もともと普通じゃない人と一緒にいて、自分の普通の感覚をキープしなきゃいけない。

夫と同じように除菌活動や回避行動を取れば、夫も私も楽なんです。夫も安心するし、私も夫の苦しい顔を見ないで済みます。

でも、私は”常人”であらねばならないのです。

“結婚したら、あおいは僕に気を使わずに、”普通”の人として行動してほしい。僕のために除菌をしちゃいけない。”普通”の人のお手本を僕の前に見せてほしい。そうすれば、強制的に毎日”治療”することになるから、それだけで訓練になるよ。治るのが早くなると思う。”

私は夫に「普通」とはどういうことかを見せるお手本にならなければいけないんです。妥協してしまうと、彼の行動を正当化することになってしまい、彼の行動にますます拍車がかかってしまいます。

でも、このコロナ禍において、「適度な」消毒って何ですか?「適度な」感染予防って何ですか?

多くの人が最大限の予防策を講じている中、この基準がとても難しくなってしまいました。

例えば、Uberを頼む。

一瞬ね、いいんじゃないかと思ったんですよ。経済も回るし、私も楽ができる。家で食べる分には問題がない。

でも、レストランで働いている方の人の手が触れる、配達員さんが持ってきてくれる、プラスチックのボックスに入っている、プラスチックは菌の保有率が高い、需要があれば人は働く、そうすれば接触感染をする人口が広がる、、、

考えすぎかもしれないけれど、最大限の予防を考えると、Uberを頼めないような気分。

もちろん、夫は絶対に無理!と言います。それを言い負かすほどのエネルギーと証拠がその時点ではありませんでした。

結局、私たちはこの1年半、Uberは頼んでいません。外でものを買って食べたのは、結婚してから半年くらいたった後。それから今まででも2,3回。それもテイクアウトで車の中でですけどね。

周りは普通にテイクアウトやUberを頼んでいます。さらに、それによって感染したという話題は聞いたことがありません。ということは、私は「普通」じゃないのかもしれません。でも、私にはこの状況で最大限の感染予防を考えたときにできませんでした。


Uberは頼まなくても、日常生活はやっていけます。そこで働いている方たちや経済には申し訳ないけれど。マジで寿司やおいしいチキンナゲットやBoba食べたいけれど!

じゃあ、日常生活に根付いた話となると、どうなるのか。次回はそちらをお届けします。

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