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泣けた写真集の話 「月の道」

今夜はがらりと趣を変えて、過去の想い出を綴ろうと思います。なぜか、とある写真集のことを久しぶりに思い出したので。一生忘れることはないだろうと思う、写真集の話です。

もう何年も前に、出会いたかったタイプの人に出会いました。小さな船で、伊豆のとある島に旅をした時の船長でした。恋愛とかそういうのではなく、いろんなことを教えてもらいたいと思える人でした。そして一緒にいるだけで楽しい気持ちになれた人でした。

旅から帰って数日後。船長との再会を楽しみに、島での出来事を思い出しながら仕事を頑張っていました。そんなとき、訃報を耳にしたのです。事故でした。それからずっと、毎日、仕事の時間も家にいるときも泣けて仕方ありませんでした。

人に話しても時間が経過しても気持ちのやり場に困り、泣くかぼんやりしている日々。救いを求めて、気持ちを変えてくれそうな本を探しに図書館へ行きました。そこで、何気なく手に取った写真集をゆっくりめくって見ているうちに、涙がこぼれ落ちました。

借りて帰って、一枚一枚の写真を時間をかけて見つめながら、ぼろぼろと涙をこぼして泣きました。一晩中そんな風に過ごし、次の夜もまた次の夜もそんな風に写真集をめくっては泣きました。そうしているうちに心が少しずつ軽くなっていきました。

たまたま心が弱っているときに出会った写真集だから、ということもあるかもしれません。だけど、本棚にびっしり並んでいた他の写真集には、心を動かされることはありませんでした。

その写真集の名前は『月の道 』
写真家は、雑賀雄二氏。

すべてモノクロで、軍艦島を月明かりだけで撮影した写真だそうです。高くて買えない・・・なんて思っていたら、残念ながら絶版となっていました。

でも、雑賀氏のホームページでその写真を見ることができます。ありがたいことです。軍艦島は知っている人は知っていると思うのですが、長崎県にある小さな島で、正式には端島といいます。

★端島:長崎県長崎市(旧西彼杵郡高島町)
★雑賀雄二公式サイト:http://www.ne.jp/asahi/saiga/yuji/


また新しい旅に出たいです! よろしくお願いします_(._.)_