800文字日記/20220531tue/084テーマ「危険な道草」046(修正前)
一九八六年。小学四年生。朝は集団登校だった。園児や一年生を真ん中にして列になって歩く。帰りは家が近所だった根岸蓮とよく一緒に帰る。一人で帰る日は半時間、早いと二十分で家に着く。僕はよく道草をした。道草に夢中になると帰りが二時間も三時間も掛かった。
秋。僕は毎日一人で帰った。マイブームだった。北門を出て、幼稚園を左手に見、住宅地を抜ける。空き缶一つ蹴らずに歩く。昨日より早い。さらに早足になる。左に田んぼが広がる。田んぼに沿って走る農業用水路は枯れている。この時期、降りて遊ぶ。