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太古の詩人の古い炎(古典のブルース)

「雨が降り続けば、堤防は決壊」
              メンフィス・ミニー


私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
その炎は、私の「記憶」を燃やし尽くすまで、
消えないだろう。

輝かしい炎だが、
夜のように冷たい。
輝かしい炎だったが、
夜のように冷たかった。
そのメラメラと揺れる光は、
生と同時に死をも、浮かび上がらせる。

黄ばんだ紙のインクの炎に、
私の目は釘付け。
黄ばんだ紙のインクの炎に、
私の目は釘付けだった。
それは、言葉に意味を与えるのか、それとも、
意味から言葉を奪うのか?

私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
そして私を凍りつかせるのは、
「現代詩」の似たり寄ったりのブリザード。


神がみんなに話しかけたとき、
彼らはどこに行っていたのか?
神がみんなに話しかけたとき、
彼らはどこかに行ってたに違いない、
テレビに出てくる億万長者(または、文化人)を、
神と見間違うなんて。

エミリー・ディキンソンは消えた、
すべての劇場や学校から。
彼女は消えてしまった、
あらゆる劇場や学校から。
彼らは彼女から言葉を奪い取り、
詩人を「感性だけの抜け殻」に育て上げる。

ジャンクヤードではスクラップたちが、
目をバッチリと開かせている。
ジャンクヤードではスクラップたちが、
目をバッチリと開かせている。
彼らにとって、「考察」を続ける工場は、
死ぬのには、つまらなすぎるのだ。

私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
Microsoftや、イーロン・マスクにだって、
その炎を買収することはできまい。


窓から忍び込んだ大鴉が、
パラスの胸像にとまっている。
窓から舞い込んだ大鴉が、
パラスの胸像にとまっている。
近くを通る人々は、
「鐘の音」にさえ、背筋を凍らせる。

「虎よ、夜の森の中で、
輝き燃える虎よ。
虎よ、夜の森の中で、
眩しく燃える虎よ、
どんな『深淵』か、はたまた『大空』で、
お前の眼の中の炎は燃えたのかーー」

それは、草の葉に広がる、
広大な宇宙のよう。
それは、草の葉に広がる、
広大な宇宙のようだった。
その葉とは、友よ、子供たちが突きつける、
大人たちへの「問い」なのだ。

私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
いにしえの彼らは持っていたのだ、
「護衛を交代させる勇気」を。


私が探しているのは、
太古の詩人の古い炎。
私が求めるのは、
太古の詩人の古い炎。
私は彼らの肖像画を描き、サムネにし、
彼らの言葉を盗み、クオートにする。

想像力でおいてのみ、
人は真理を語ることができる。
想像力でおいてのみ、
私たちは真実を話すことができる。
宗教家の示す終末は掻き消される、
メンフィス・ミニーのブルースによって。

いつかエミリー・ディキンソンは私の庭に、
帰って来るに違いない。
彼女はきっと、私の庭のどこかに、
戻って来るはずだ。
彼女の炎がもう一度光り輝いたら、
「世界を燃やし尽くして」と頼んでみよう。

私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
私を燃やしているのは、
太古の詩人の古い炎。
そして、それは雄叫びをあげるのだ、
「詩を装った沈黙に、言葉を奪われるな!」と。

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