隔離式濃厚接触室


隔離式濃厚接触室、入ることができた。

孤独、自分で選んだ孤独ではなくて、突然目の前に突き付けられた孤独のように感じた。水沢なおさんの詩と相まって、とにかく「ここではない場所」に放り出されたような、ぞくぞくする感覚だった。
あまり詳しく書くと、この展示の意味がなくなってしまうと思うので…気になる方がいれば、ぜひ一度入っていただきたい。


水沢なおさんのことは、詩集「美しいからだよ」を読んで知った。本屋で目が合って、おそらく人生ではじめて買った詩集。読み進めるごとに、衝撃的な体験だった。

国語の授業で有名な詩人の作品を読んだことはあったけれど、これは何を意味しているのか?と読解させられて、なんだか難しい、とっつきにくい、くらいにしか思っておらず、特に興味がなかった。詩って、よくわからないと思っていた。

自分も変わったんだろうけれど、この詩集を読んで、詩ってこんなに不思議な力というか、オーラみたいな、影響力のようなものを持っているんだ、と思わざるを得ない経験をさせられた。うまく言えないけれど。
言葉が繋がれたもの、普段から新聞やSNSや日常会話や色々なところで見ているもののはずなのに、なんだか全くの別物になって躍っているような感じだった。

相変わらず、読解という意味ではあまりわからなかったけれど、とにかく今までにない没入感を感じて、それでいいかなと思えた。
思わず、これすごくよかったから、と友人に押し付けてしまった。

そんな、個人的に思い入れのある詩人の作品をこういった形で鑑賞できて幸せだった。


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