![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/37336888/rectangle_large_type_2_3cb1f08f0bdd2930b4ce38083552ccdb.jpg?width=1200)
詩 わたしの中に
わたしの中に
幼い少女が立っている
ひとりで立ちつくしている
右手に擦り切れた顔の犬のぬいぐるみ
水色の丈の短いワンピース
口は固く閉じられている
伸びた髪は長く櫛を入れられていない
意固地な目は何を見ているのか
暗い路地の向こうには
さらに暗く濡れた道が続いている
寒くはない
寒くはないが
ひどく虚無だ
どこからか花のにおいがするのに
どこにも姿が見つけられない
あれは
なんという名前だったろうか
どうしても思い出せない
思い出したいはずなのに
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?