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魔法野菜キャビッチ3 キャビッチと伝説の魔女

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ポピーは魔法の世界に住む少女。その世界では「キャビッチ」という、神から与えられた野菜で魔法を使う――「食べる」「投げる」「煮る」「融合」など。 13歳になったポピーは、新たに「シ…
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2019年9月の記事一覧

魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 39

「おは、おはよーう、ヨンベ」私はすぐにふり向いて笑顔でこたえた。「いや、きのう読んでた本がむずかしくってさ、あれこれ考えてたの」

「本? わあ、なんの本?」ヨンベは目をかがやかせた。

「えっとね、妖精についての本」

「うわあ、えらいねポピー」ヨンベは心から私のことをほめてくれた。

 ――うそっぱちを、言ってしまった。

 私は心臓のあたりに針のようなものがちくりとささるのを感じた。

 で

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魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 38

「そういえばハピアも、この『同じ赤き目を持つ者として』とアポピス類が君のことを話していたと言っていたよ」父は自分の書いたメモを見下ろしながら言った。「君に、ぜひとも仲間になってもらいたいと言っていた、と」

「は」ユエホワはみじかくため息をついた。「勝手なことを」

「国をつくって、どうするつもりかしら」母は父とユエホワにきいた。「まさか、鬼魔界に戦をしかけるなんてことしないわよね?」

「うーん

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魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 37

「あ、起きた? ちょっと手伝って」キッチンに入ると母がちらりと、私と私の後から続くユエホワの方を見て言った。「お皿とグラスと、そのほかいろいろ並べてくれる?」

「はーい」私は食器棚の上の段に腕を伸ばし、大皿を取ろうとした。すると、頭の上からぬっとふたつの手が現れて、私が取ろうとしていた大皿を持ち上げていった。

 金色の爪、つまりユエホワの手だ。

「え」私は思わず頭をのけぞらせて、その手と大皿

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魔法野菜キャビッチ3・キャビッチと伝説の魔女 36

「ツィックル」瞬時に私がさけんだのは、そのことばだった。

 さけびながら窓枠に足をのせ、外へ飛び出す。

 はっ、と、息をのむ声がした。

 だれの姿も見えないけれどたぶん、その見えない人(かどうかわからないけど)が、息をのんだのだろう。

 でも私はこれっぽっちも不安になったり怖くなったりしていなかった。

 なぜなら、私のツィックル箒がちゃんと“目ざめ”て、私が窓から落ちるその下にまですばや

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