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当時16歳の乙一さんに、2度文章で殴られた話〜夏と花火と私の死体と〜

1回目殴られた時は、当時私は高校生だった。
友人から「乙一さん面白いよ」と本の紹介を受けた。ふーん、とおもった私は確か図書室で乙一さんの本の中で1番薄くて、それなりに惹かれるタイトルである「夏と花火とわたしの死体と」を手に取り読んだのである。

当時のことはハッキリとは思い出せない部分もあるけれど、とにかく面白かった!というのと、執筆当時彼が16歳であったことで衝撃を受けたのを覚えている。

あんまり変わらない年代でこんなミステリーなホラーな話書けるんだ?!文章も読みやすい!設定もしっかりしている!すごい!!すごい!!この人はすごい!!
そこからすっかり乙一さんの虜になった私は、記憶が確かなら当時刊行されていた本の全てを読んだと思う。
ダークで鬱々としてドキリとして、読後に感じる非現実と現実の狭間のような生温く湿った空気の作品は、私にとって彼が唯一無二だった。

そんな私は30代。もう15年以上程前に読んだ本の話をなぜ今するかと言うと、友人におすすめの本として紹介したからだ。

友人と本の話をしていた時、フッと青春時代に読んだ、あのドキドキとして湿った空気を纏うあの本が私も懐かしくなった。

もちろん人に勧めるには自分も今一度読む。
読んだ、読みました……

正直言うと、頭打ってストーリー忘れてたのかってくらい全然覚えてなくて、初見のようにドキドキしながら読んだ。
読んだ時、高校時代の少女に戻ったのように……なんてロマンチックなことはなく、普通に30代の人間が執筆当時16歳の作家に、お話で殴られた。人生で2度目。幸。

やっぱりすごい、すごい……!!面白い!!

大人になると、青春時代に読んだものって振り返ると「正直、こんなだったけ?」って拍子抜けするものは沢山ある。
時間が経っても、わくわくできた今回はとっても有意義な時間だった。

気になる人はぜひ、16歳の乙一さんにストーリーで殴られて欲しい。ドキドキの読みやすいミステリーです。


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