見出し画像

都内こそ、長距離散歩。ピクニックブームこい

家でダラダラしているとき、ふいに何かを変えたくなった。財布と携帯電話と家のカギだけを持って、とりあえず家を飛び出した。

そうだ、海へ行こう。勘で歩き、時折地図をみて、また勘で歩く。直線距離では25キロ程度、道に迷いながら6時間以上かかった。レインボーブリッジを渡り、お台場に着いたときには夕方になっていた。クタクタな体と楽しかった自分。何も得てない、エンタメ。帰りは電車。これが初めて、ただ歩いたときの経験。20歳前後のときだったと思う。お金もなくて、東京に友達もいなくて、でも、なにかしたかった。

長距離歩いてみた人はわかると思う。子供の頃生活していた田舎では5キロ程度では景色が大して変わらない。街から出られない。けれど、東京都心は5キロ歩いたら全く違う景色が見える。

新宿から東京タワーまで歩いたことがある。最短距離で片道6キロほど。明治神宮外苑、青山一丁目、六本木、麻布を通る。実際に歩くと楽しい。細かな道を歩いてたら裏原宿へたどり着き、表参道に出た変化の凄さ。途中、道がわからなくなり遠くの六本木ヒルズを目印に歩いたワクワク冒険感。大使館の並ぶ麻布を歩いたときには、警備員の数に驚いた。途中の神社に寄ったら、結婚式(神前式)が微笑ましかった。

東京は小さな地域に、様々な要素が詰まっていて本当に面白い。東京にいて、電車やタクシーに乗るのは便利だ。ランニングも心肺機能を高める。でもたまには、歩く経験をオススメしたい。休みの日に時間をかけて、少し遠くまで歩く。気になる道や場所があれば、寄り道をする。意外と、歩いてどこでも行ける。

歩くことで健康や創造性に影響を与えることも有名。過去多くの偉人も歩いている。スティーブ・ジョブズ、ベートーベン、チャールズ・ディケンズ、ジャック・ドアセイ、ダーウィン、キルケゴール、チャイコフスキー、フロイト、アインシュタイン。歩く、ということはただそれだけで物凄く気持ちも良い。

暖かい季節になって、歩きやすくなってきた。恩田陸原作の映画『夜のピクニック』をみて、ただ長距離を歩いて、語るのもいいと感じている。都心における、長距離ピクニックブームが来たら人を誘いやすいので、そのブームが来ることを祈る。

※補足
長距離歩くにおいて、2点。靴は歩きやすいものにしたほうがいい。革靴で歩いて、足裏にマメができた。あと、スマホで良いけどカメラを持っておくと、だいたいシャッターチャンスがある。

踊れよ