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ドラマはチーム

ドラマをよく観ている、aoikaraです。

仕事でドラマの紹介記事などを書くし、毎シーズンどんなドラマがあるのかチェックして、気になる作品は観て、気に入ったら観続ける…というのをもう何年もしている。サブスクも充実するようになって、過去の作品が観られるのもうれしい。

ドラマが好きだからこそ、原作者の方の思いが尊重されなかったという話を知り、とても悲しくなった。原作が好きだからこそ見始めた作品で、ドラマでも原作を尊重していると感じていて、面白いと感じていた。だけど終盤にかけての物語のたたみ方が少しもやもやとするというか、気になっていた作品でもあった。

ドラマの最終回が放送されてすぐ、脚本家の方が最後の2話は原作者が脚本を担当されたことを明かしていて、いろんな事情があったのかなと当時は思っていた。そして、最近になって原作者の側からの経緯も説明されて、原作が尊重されていなかったためやむを得ず脚本を書いた(当初から取り決めていた)と知った。ドラマで原作が尊重されていると感じたのは、原作者の方の努力があったからなのだろうと現時点では受け止めている。

原作者の方にとって、また原作のファンの人たちにとっても、作品はとても大切なもので、尊重してくれないのはあまりにも悲しい。そんな作品は画面越しにも伝わってしまうだろうし、実際に過去にも原作への尊重が感じられない作品はあった。

ただ、今回の場合、脚本家の方がどれくらい事情を把握していたのかも、現時点ではわからない。だから「脚本が」という理由ではなく、ドラマに携わるたくさんの人の中で、ドラマの制作側に「原作を尊重する」という部分がおろそかになってしまったのではないかな、と思う。今回の全体像も、どれだけの人が関わっていたのかもわからないので、現時点でわかっている情報だけで推察すると、という話になってしまうけれど。


ドラマにおいて、「面白くない」とか「低視聴率」とか、要するに「評判がよくない」とされる作品においては、視聴者の間でもまたメディアでも犯人捜しをされる傾向があると、いち視聴者として感じている。キャスティングそのものだとか、俳優さんの演技だとか、脚本だとか。

でも、「これが原因だ」とわかりやすいひとつだけの理由はなくて、いろんな理由が積み重なった結果だと思う。ドラマというのはチームで、本当にものすごく多くの人が関わって作られている。

目につきやすいから、表に出てる演者が叩かれる傾向が特に多いと感じる。昨今は脚本家がどんな人なのかと関心を寄せる人も増えているから、脚本が称賛されたり、逆に批判されたりすることも多くなってきた。有名な監督(演出)だとかも名前を挙げられたりすることがある。

でも、本当はもっとたくさんの人がいる。私はドラマの視聴者であり、制作側ではないので詳しくはわからないけれど、ドラマのスタッフとして公式サイトなどで調べるだけでも、制作会社、プロデューサー、音楽など。あとはメイクやスタイリスト、美術、撮影、音声…なんていうのもあるだろうか。たぶんもっといろんな役割の人がいる。

そしてドラマにはスポンサーがいて、お金を出してもらっているわけだから、スポンサーの意向というのもあるだろうか。出てくれる役者さんも事務所との兼ね合いがあるだろうし、演技や役柄に関しては役者さん自身の要望もあるかもしれない。キャラクターの性別や性格が変わるのは、いちキャストやスタッフ(脚本家や監督)の一存でできることではないのだから、キャストや脚本家だけが批判されているのは違うのではないかと思う。

とにかく、ドラマにはたくさんの人が関わっていて、チームとしての思いがひとつになったとき、とても良い作品が生まれるのだと思う。評判がよくないときに誰かの何かを理由として挙げるというよりは、チームとして噛み合っていなかったのかなと感じる。

逆に評判がよいときも、誰かの何かが理由ではなく、良いチームだったのだろう、と個人的には受け止めている。何か齟齬があっても、うまく調整してくれる人がいると、良い作品になるのかもしれない。それもまた、良いチームにしてくれた人がいるということ。

裏側の事情は観ている側からはわからないけれど、良い評価も悪い評価も、たったひとつが理由というのは、チームで作る上ではないことだと思う。


ただ、ドラマに原作があるときは、その原作がなければそもそもドラマも作れないのだから、やはり原作への尊重と尊敬は第一に考えてほしいとも思う。

原作があってのドラマでも名作は本当にたくさんある。面白い作品もたくさんある。原作とは違う部分があっても、ドラマだからこそあえて変えることで、原作の意図が伝わりやすくなっている良い改変もあるし、変えることの全てが悪いとも思わない。

ただ、やっぱり原作への尊重と尊敬がベースにあってのことだと思う。原作を大切にした方が、ドラマとしても絶対に面白いと思うし、原作のファンからドラマのファンができて、ドラマから原作のファンもできると思う。

何かを創作する立場にいれば、作品が大切にされないと悲しいと感じた経験はあるのではないか。内容をよく知らない人から雑に批判されるとか、揶揄してもいい作品とされるとか。だから、創作する現場にいる誰だって、作品を大切にする思いはあるはずだから、忘れないでいてほしい。


今回の件では、原作はとても好きな作品で、まだ連載中なので、これからどうなるのかと楽しみにしながら続きを待ちたい。

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