No.523 夢じゃないから醒めない

昨日の夜中、いきなり目が覚めた。覚えていないけど、夢を見ていた。突然に起きてしまったので、心臓がばっくばっく言っていた。体中にびっしりと汗をかいて、でも体は重くて着替える気もなくて、ただばっくばっく、鼓動が激しい心臓が穏やかになるのを待っていた。

現実感がない、最近の私みたいだった。コロナもそうだし、いきなり人の死が訪れる瞬間が何度もあって、「これは現実ではないんじゃないか」と本当に思いそうになる。

そうすると、現実だと認識しなければと思考が導くのか、情報を洗いざらい見ようとする。そうすると「現実、現実、現実」と強烈に現実が突きつけられて、また心臓がばっくばっくする。体の中に心がしっかりと収まっていないように、頭がぼんやり、ふわふわとしている。

私が見ていた、テラスハウスの出演していたプロレスラーの木村花さんが亡くなった。ここ数日のnoteでもはっきりとは書いていなかったけど、花さんのことを思って書いていた。最近、ずっと考えてしまう。

悲しい。テラスハウスに出ていたメンバーたちの悲しみの言葉を見て、また悲しい。嘆きを知って、後悔を知って、本当に悲しい。

でも、テラハを見ている人間として、人のきれいなところだけじゃない、おどろおどろしい部分を、エンターテイメントとして受け取っていた私もいる。個人的に「あまりにも」と感じたときは。見ていられなくて見ないようにしていた回やシーンもあるけれど、好奇心を持ってときだってある。

私自身がテラハについて言うのはポジティブなことばかりで、誰か個人を悪く言ったことはないと思う。でも、出演している人が苦しんでいたであろうコンテンツを楽しんでいた時点で、私も全ての出演者に対して加害者なんじゃないか、と思ってしまう。そうなるのが怖くて、保身から過去のnoteで意図的にはっきりと書かなかった。

現実逃避をいくらしようが現実で、夢じゃない。誹謗中傷するのも、誰かが責められるように切り取られたショーも、良くないとは思う。だけど、そう書くのは「誰かが悪いから、私は悪くない」と言おうとしてるみたいで、私はできない。だからこそ、あくまで自分の立場での言葉として伝えている人もいるのだと思う。

生きていてほしかった。本当に。花ちゃんを花ちゃんだからと、愛してくれている人は本当にたくさんいる。こうなってしまったからわかることで、こなってしまったから届かないのが、本当に本当に悲しい。

木村花さんのご冥福をお祈り申し上げます。

2020年5月25日(月)